軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

TMSレイアウトコンペ入賞者の高齢化を憂う

若者のいない8月

鉄道模型趣味 2008年 08月号 [雑誌]

鉄道模型趣味 2008年 08月号 [雑誌]

★先月のTMS(鉄道模型趣味)誌(2008年8月号)で「2008 TMSレイアウトコンペ」の入賞発表が掲載されました。実は今回は入選4作品中、3作品がナローという結果。なのでナロー模型ネット界隈で話題になるかと思ったのですが、1ヶ月経って翌月号が発売になった今も、あまり話題になっていないですね。
★この結果発表が掲載された号が発売になった直後、家元(入選おめでとうございます)にお会いした時に「TMSレイアウトコンペの参加者が高齢化しているよね」という話題になりました。入賞作(入選4点、佳作5点、準佳作9点、努力賞23点)の内、10代の方は0人20代の方はたった1名(しかも29歳でギリギリ20代の方です)、30代も5人だけです。昔のTMSレイアウトコンペ(レイアウトコンテスト)では、10代・20代の若手モデラーが多数応募していたものです*1。中学生や高校生の応募作は出来の悪いものも多かったけれど、中には10代で優れたレイアウトを応募し、記事化されたモデラーも何人もいたのです。
★若い読者がTMS誌離れ、雑誌離れを起しているのではないか?と思ったのですが、同じTMS誌の車輌のコンペの方は20代や10代のファンの入賞が散見され、レイアウトコンペ程高齢化していない印象があります。例えば2007年12月号のTMS鉄道模型コンペティション2007 Nゲージ部門入賞発表を見ると、入賞作(入選2点、佳作5点、準佳作16点)の内、10代の方は1名、20代の方は3名、30代の方は6名となっています(努力賞については年齢が記載されていないので、10代、20代の方があと何人かおられるのではと推察しています)。

写真が問題か?

★作品を直接送付する車輌コンペと違い、レイアウトコンペは自分で写真撮影して応募する形式であり、多くの方にとってこれがネックになっているように思います。特にレイコンは割合最近まで銀塩が基本で、募集要項には「デジタルでも応募できます」みたいな書き方がされており、ネット掲示板等の書き込みを見ても、「デジカメでは応募できないので諦める」という人もいるようでした。
以下のURLはレイアウトコンペで努力賞となり、「Nゲージマガジン」に掲載されたレイアウトの作者の方のページですが、レイコン応募に当たっての写真に関する苦労が記されています。仲間の方に一緒に撮影してもらい、Nマガ掲載時にはデジカメで追加撮影した旨。一般的にはこの方と同じような感想や苦労をされているのでは無いでしょうか?
http://taniyi.at.infoseek.co.jp/96.htm
★8月号の入賞発表の講評には「デジタル写真での応募が昨年の60%から85%へと飛躍的に増えた」とありますが、昨年の時点で40%も銀塩で応募した人がいたというのがむしろ驚きです。*2
若い人は銀塩カメラなんて持っている訳もなく(カメラマニアや写真マニアでない限り触った事すらないでしょう)、携帯電話のカメラ機能か、コンパクトデジカメが普通だと思います。
★昔のTMSだと、ミキスト等で山崎主筆が「三脚を使え」「絞って撮れ」等、レイアウト写真を撮るコツを伝授してくれていました。なので、それに従って撮れば、まぁまぁの写真が撮れたのです。また、1960年代半ばから70年代にかけて家庭に一眼レフが普及して、その後70年代には若者に一眼レフがブームみたいになっていて*3、レイアウトコンテストが開始された頃には(1978年だったと記憶)模型撮影に適したカメラの調達が簡単だったように思います(気のせいかもしれないけれど)。ワタシも親父のペンタックスSPを借りてきて、レイアウトコンテストに応募したなぁ〜*4
★今は日常の一般的なスナップであれば、コンパクトデジカメや携帯のカメラ機能で充分でしょう。ですが、それがレイアウトコンペに応募する写真を撮るのにどうかというと、ちょっと微妙です。マクロモードは大半のデジカメに付いていますが、絞りやピントをマニュアル操作できる機種は少ないです(あっても高価な上級機種*5)。メモ的に撮るとか、自分のブログに載せるとかの為に撮るのならそういう普及型コンパクトデジカメで充分でしょうが、TMSレイコンに要求される(=つまり、印刷物に掲載するに耐えられるクオリティ)の写真を撮る事が出来るかというと・・・。それなりの工夫とコツが必要になってくると思いますし、かと言ってその為の撮影ノウハウが誌上で充分に伝授されているとは言えないと思います。*6
(2011/07/26追記)近年はコンパクトデジカメの性能もアップし、TMSコンペ上位入賞作や、TMSの表紙を飾る写真にもコンパクトデジカメ、それもごく普通の機種で撮影されたものが多く見られるようになりました。3年前に本記事を書いた時とは状況が変わってきているかと思います。よって、この項を読んで「普通のデジカメでは応募できない」「上位入賞は無理」などと悲観されぬようにお願い致します。ちなみに2010年レイアウトコンペの応募要領では、応募するデータは「700万画素以上」とされています。

レイアウトを作る若者が減少?!

★昔は多くの人に自分のレイアウトを見てもらおうとしたら、レイアウトコンペに出すしか方法は無かったのですが、今はネットがあるし、各種の鉄道模型イベントに参加する手もあります。大体、鉄道模型雑誌もTMS一誌だけでなく、とれいんやRMMもありますよね*7。という訳で、若者はTMSレイアウトコンペは見捨てて、ネットにアップしているのだろうと思いました。で、最近の若い人のレイアウトはどうなのかな〜と調べるべく、ネットに接続してググって見たんですが・・・ 若手のNゲージ車輌工作派モデラーのブログやWebページはいろいろありますが、若手のレイアウト派モデラーのブログやWebページってあまり無い様な気がしませんか? まぁブログを一見しただけで、常に筆者の方の年齢が分かる訳が無いんですが、でも何となくそんな気がしてきたのです。って事は、そもそもレイアウトを作る若者が減っているって事になります。そうなるとTMSレイアウトコンペの高齢化もむべなるかなでありますが、もしそうだとして理由は何でしょうか?

  • 少子化で若者の数が減っている?
  • フル編成指向の人が多いので、Nゲージでも家ではレイアウトが作れない?
  • 貸しレイアウトが増えているので、自分ではレイアウトを作ったり持たない主義?

レイアウトの滅亡する日・・・

★しかし、もっとも恐ろしい推論は、「今の若者は鉄道模型レイアウトに興味が無い」です。
 もしそうだとすると、最初に書いたようなTMSレイアウトコンペの高齢化も単にTMS一誌の問題でなく、鉄道模型業界・趣味界全体の問題になるのではないでしょうか? また、何でそうなってしまったのか、その原因も探らなければならないでしょう。
★今から10年後、20年後にレイアウトを作るファンが激減し、「あの頃はレイアウト作りが盛んで、ミニカーブレールとか、街コレとか、カーコレとかあってねぇ〜。JAMでもモジュールレイアウトが一杯展示されていたよ。そうそう、NHKでレイアウト作る番組までやっていたんだよ。それが今では・・・」
なーんて事になったらどうしますか?
嫌だよ、もっとみんなのレイアウトが見たいよ、ワタシの勘違いだよね。そうだよね、そうだと言ってくれ・・・

*1:「359レイアウトinカラー」「301レイアウトinカラー」を見ると良くわかります。

*2:ニコン銀塩カメララインナップの大幅縮小(事実上の撤退と見て良いでしょう)を発表したのが2006年1月(参考:http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2006/01/11/3008.html)。それ以前にも2002年にオリンパスOMシステム生産中止、2005年9月に京セラがコンタックス事業を終了させており(銀塩からデジタルへの移行失敗が原因でしょう)、一方では低価格デジタル一眼レフの嚆矢であるキヤノンEOS KISSデジタル(初代)の発売が2003年9月。こうして見ると、2005年には実用としての銀塩写真はほぼ滅んだと見て良いのではないでしょうか?

*3:ペンタックスMGが早見優で、オリンパスOM10が大場久美子だったよな〜。でもってミノルタX-7が宮崎美子です

*4:準佳作を頂きました

*5:なんかナロー界隈の人はみんなリコーGX100使っていますよね。

*6:最近のTMS誌のレイアウト記事を見ると、筆者撮影の写真が解像感が足りなかったり、ノイズが多かったりする例が多い様な気がします。コンパクトデジカメの限界なのか、それとも回避するテクニックや設定があるのか、その辺りを知りたいところです。

*7:この2誌だと、よっぽど辺鄙な土地で無い限り、レイアウトの取材に来てくれそうな気がします・・・