軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

自由型を考える

★実家の押入れから鉄道模型趣味増刊「プレイモデル」1979年夏の号(第3号)を取り出してきました。「プレイモデル」は現在の「Nゲージマガジン」の前身ですが、初期のプレイモデルには「製品の紹介」欄や「ミキスト」欄もあって、そのミキスト欄でやま氏こと山崎喜陽主筆が自由型について触れていたのを思い出したのです。
★上記ミキスト欄にて山崎主筆は自由型=フリーを大きく4つに分類しています。

(1)夢の電車とか将来の機関車といった種類のデザイン
(2)実物車輌を基にディフォルメしたデザイン。マンガ的な変形、芸術的な?変形などいろいろ
(3)スケールよりも長さをつめたりして模型的に設計しなおした車輌
(4)いわゆる自由型

(1)は最近あまり存在しないパターンですね。昭和20年代にTMS誌が主催した「デザインコンクール」*1の応募作などはこれに該当するでしょう。この頃は新幹線はおろか「こだま」型*2も存在しなかった時代。長距離特急電車なんていうのはまさに「夢の電車」だった訳です。
(2)デフォルメ型は「イプシロン鉄道」や「岸和田軽便鉄道」、「ブーピープバレイ鉄道」などが該当するでしょう。
(3)の模型的設計し直し型は、Nゲージが一般化するまでは入門者向けの製品として存在していました。Oゲージ三線式や16番でよくあった「EBナニガシ」がそれです。現在でもライブなどの大型模型では存在しますね。skt48さんのブログでのもへさんのコメントをお借りすれば、「小さい実物を作らなければならないもの」がそうですね。先日発売されたOSのフォルテは良い例でしょう。またアルナインの「とても簡単な」シリーズも、簡単に作れかつ市販の動力ユニットが使えるようにデザインしてあるため、模型的設計し直し型に該当するでしょう。
難しいのは、Bトレインショーティーはデフォルメ型なのか模型的設計し直し型なのか?という事です。Bトレの企画・開発者であるバンダイの土信田氏へのインタビュー記事(http://business.nikkeibp.co.jp/free/x/20060220/20060220005356.shtml)を読むと、どちらにも当てはまる気がします。*3鉄道模型ではありませんが、タカラトミーの「チョロQ」とかハセガワの「たまご飛行機」などもデフォルメ型ですね。しかし、BトレやチョロQ、たまご飛行機はデフォルメしていても明確なプロトタイプはある訳で、自由型=フリーというには違和感がありますし、昔の入門者向けB型電関と違って、自由型と呼ぶ人はいないようです。
(4)の「いわゆる自由型」ですが、山崎主筆は例として「D51・D52に続いてD53があったら」「自分である地方に小電鉄を20年前に敷設したとして、それにあう小型電車を時代も考慮して設計することもあろう」と書かれています。
以上がやま氏分類ですが、このミキストが掲載された当時には無かった例があります。許諾その他の関係からか、ある鉄道のある特定の車輌をプロトタイプにしたスケールモデルであっても「自由型」を名乗っている製品があるのです。これは大人の事情型とでも言いましょうか・・・

*1:TMS特集シリーズの「デザインブック」に収録されています

*2:こだまといっても新幹線ではなく、151系の事であります。

*3:バンダイの人気商品で「BB戦士ガンダム」というデフォルメしたガンダムがありますよね