軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

TMS2009年6月号を読む

★このところ毎月TMS(鉄道模型趣味)誌を買ってます。ワタシのように一般的な鉄模ファンと異なる趣味を持つ人間にとっては、毎号面白いという訳でもなかったりするのでして、一時期はたまにしか買わないという状態が続いていたんですがね。最近仕事が忙しくて、立ち読みする時間も惜しいってのもあります(笑)
「ネットがあれば雑誌はイラネ」って人もいるかもしれないですが、Nゲージやナローはさておき、他の鉄道模型分野ってネット上に情報がなかったりしますよね。雑誌が溜まるのがヤダって人も多いと思いますが、読み終わったら捨てれば良いんですよ。ワタシは必要な記事だけ切り取ってファイルに保存して、自家製特集シリーズを作っていますが、後で見返すと濃縮されていて面白いですよ。
閑話休題、今号はナローゲージャーにとっては、はまとんさんのOナローレイアウト「笹ヶ峰林用軌道」が掲載されているのが最大の話題でしょう。昨年のレイアウトコンペの入選作です。シンプルな線路配置ですけれど、全体のデザインは良く考えられており、実際のサイズ以上の広がりを感じさせますし、作りこまれたストラクチャーやリアルな草地、派手過ぎず地味過ぎずの絶妙な色調、そして何より雰囲気が良いんですよ。背景画も非常に効果的です。以外と背景を付けていないレイアウトって多くて、TMSでの掲載時に編集部側が画像処理でバックを消している例も最近多いですよね。


▲昨年の軽便鉄道模型祭にて撮影。誌面に掲載された写真の方が解像度も高くて良いですよ。
熊本電鉄モハ101とモハ71」はホビーメイトオカとモデルワムのキットの組立加工。そういえば昔こういうキットが出ていたよなぁと思い出しました。1980年代に入って、この手の田舎電車がキット化されるようになったのでしたよね。城北鉄道クラブの皆さんの競作記事が誌面を賑わせていた頃ですな。最近は16番ではこの種の地方私鉄の電車のキットってあまり出てないような気もしますが、どうなんでしょう? Nでは鉄コレで花盛りですがね。
★今回ははまとんさんのレイアウトを含めて、レイアウト記事が3つも掲載されていますね。
Nゲージレイアウト「阿讃鉄道臨港線」は450×300mmの小型レイアウトながら地上線と高架線の2段式、昔の特集シリーズ「レイアウトサロン」に掲載されていた「千複湊鉄道」*1を思い出しましたよ。しかし残念なのは写真の被写界深度が浅過ぎること。かなり作り込まれているレイアウト(架線も張られています)だけに、何とも惜しいです。編集部で撮り直すとか出来なかったのでしょうか? 
第10回関西Nゲージ合同運転会の写真レポートでは、一番最初に掲載されている壱弐会の松本氏のジオラマ「赤瀬温泉電軌・時祭駅」は、ホームに並ぶ女子高生の数にびっくり。よく見るとホームが嵩上げされた様子も表現されていますね。RailJoinの市野氏の「茶畑モジュール」も地形や線路配置がリアリティに富んでいて良いモジュールですね。こういう雄大な風景を作れるのがNゲージモジュールレイアウトの良さですな。
車輌作品の中ではTNCの川端氏がプラ板と旧型客車キットから作られたという流線型ディーゼル列車M-10000が良かったです。アメリカのユニオンパシフィック鉄道の有名な車輌ですな。細かく作られている訳ではないし、良く見ると中間車はスハニ35だったりする訳ですが、昔のプレイモデル初期の頃あたりの何もなかったけれどそれなりに楽しかった時代を思い出します。
★小林信夫氏の「ストラクチャー工作雑感」の2回目は「建物パズルで作るナローレイアウト」としてOナローのストラクチャーと自由型単端が登場。100円ショップで見つけた中国型?ストラクチャーを使ったOナロージオラマですが、小林氏の記事でOナローは初めてですね。単端は成田+夷隅という感じですが、ご本人も認めている通りかなり癖が強いカタチ。
ところで今回製作のジオラマではペットボトルのボトルキャップについているおまけの人形をOゲージ人形として使っておられますが、その手があったのか…。もっと早く気が付くのだったと思う事しきり。
★製品紹介ではワールド工芸の草軽電鉄デキ50が1ページ近くを割いて紹介。同社のWebサイトでは内容について細かく紹介されていないので、参考になります。もっとも最近は雑誌に出る頃にはもはや手に入らない事もしばしば(この草軽は幸いメーカー在庫がありますが)。TMSに限らず、雑誌の製品紹介というのは将来の模型考古学者の為の記事なのかも…。
★裏表紙の「DCCマニュアル2009」の広告ですが、「大好評発売中」になっています。本号の自社広告を見ると、Nゲージマガジン50号とDCCマニュアル2009だけが「」が付いています。売れているって事かな?

*1:「その後作者はどうしても立体交差が欲しくなり(中略)その上、脚の高架線にトンネルを設けるという芸当までやってしまったのは残念である」という編集部によるキャプションを思い出す人もいる筈…