軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

縮小するレイアウト

★先日、例のエコー本(「昭和の鉄道と暮らし〜エコーモデル・その世界」)を読み直していて思ったんですが、城新鉄道レイアウトって、今の我々の感覚からすると結構大きなレイアウトですな。写真で見ると畳敷きの部屋をデンと占拠しています。こんなに部屋を埋めてしまって大丈夫だったのかしら?と心配になってしまいますが、作者である阿部さんが学生時代・独身時代だったからこそこういうことが出来たと言えるかもしれません。
★そもそも城新鉄道は中村汪介氏の三津根鉄道をお手本にしており、その中村汪介氏の記事はTMS特集シリーズ「小レイアウトと小型車輌」にまとめられています*1。久々に本棚から取り出して眺めていたのですが、定尺ベニア1枚のサイズ(1800×900)というのは、今の感覚からすると決して「小レイアウト」ではありませんね。もっとも三津根鉄道は折りたたみ式で、収納時には900×900のサイズになるのですが。
★JAMで展示された「或るレイアウト」にしても、「レイアウト全書」で見た時は小型レイアウトだと思っていたのですが、これまた現物を見ると「小型」とは思えないですよね*2。昔のTMS特集シリーズにある「小型」レイアウトを改めて見直してみると、案外大きいサイズの物が多い事に気付きます。当時は16番主体だったからかもしれませんが、ナローでも「祖師谷軽便」は900×600mm。関水金属(KATO)のNゲージの線路も、当初のカーブはR270とR300でした。*3 900×600でも、実際に部屋に置いてみるとかなりの邪魔物になります。最近ネット上等では、このサイズを「デスクトップレイアウト」と呼ぶ方も多いですが(この呼び方はKATOのアレから来ているのかな?)、「ミニレイアウト」と呼ぶ方はあまりいないような気もします。
★「ナローゲージブック2」収録の林鉄レイアウト「木祖森林鉄道建設記」の記事で、作者の大谷氏が『このレイアウトがグラフに載せられたとき、「…小レイアウト…」というコメントが付けられて、少々ショックを受けました』と書かれていたのが印象に残ります(レイアウト本体部のサイズは1200×600)。
大谷さんは現在40代半ば前後だと思うのですが、この位の世代の方(つまりアラフォー)ですとNゲージからスタートしていたり、HOナローのパイクが当たり前にあったりで、1200×600では「小レイアウト」とは思わない世代になっているのかもしれません。
★皆さんにとって「小レイアウト」ってどの位のサイズでしょう?

模型鉄道でよみがえる昭和の鉄道と暮らし―エコーモデル・その世界 (NEKO MOOK 1226)

模型鉄道でよみがえる昭和の鉄道と暮らし―エコーモデル・その世界 (NEKO MOOK 1226)

ナローゲージブック2

ナローゲージブック2

*1:TMS特集シリーズは1980年代に復刻されましたが、「ミキスト」、「日本型蒸気機関車の製作」、それにこの「小レイアウトと小型車輌」の三冊は復刻されませんでした。もっとも特集シリーズの中ではかなり後(1970年代)まで重版されています

*2:モロさん達はあのレイアウトを運ぶ為にニッポンレンタカートヨタハイエースのロングを借りてきてましたが、荷室にギリギリの状態でした。しかも台枠が物凄くしっかりと作ってあるため無茶苦茶重いのですよ

*3:この時の線路は最近まで発売されていた固定式線路とはまったく別のものです。枕木もうす茶色で日本型には良かったのですが生産中止。KATOは米国アトラスの線路のOEM製品を販売するようになり、これが国産品に代替されたのが長らく親しまれた枕木が黒の「固定式線路」です