軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

杉山模型ベビーグース(ミニグースのルーツを探る)


★先日、ものぐさ太郎さんがミニグースについて書かれていたので、今回はこの製品をご紹介しましょう。杉山模型「ベビーグース」(HOナロー9ミリ)であります。

★ご覧の通り、箱のラベルにはこの製品の和名である「軌道車」と共に、「2000鉄道模型ショウ記念」と書いてあります。この「ベビーグース」は2000年10月に開催された鉄模連ショーで発売された物。この2000年のショーより長らく続いた東急デパートでの開催*1から大田区産業会館での開催に切り替わったのでした。
★それまでは海外向けブラスメーカーとしての活動が主であり、国内ではギアードロコマニアやグースマニアには知られていた杉山模型(杉山製作所)ですが、この製品あたりから国内のナローゲーシャーに広く知られるようになったのではないでしょうか。
とれいん誌上で同誌のなんこう副編集長(現編集長)がその魅力を紹介され、その記事の出た直後のJAMコンベンションでは、杉山さんのブースに「とれいんに出ていた…」「とれいんの記事で見たんですが…」といって訪れる(…というより「駆け込んでくる」に近い)方が多数おられたのです。


▲購入直後の未塗装状態の姿。
★さて、このベビーグース君。プロトタイプ?となったのは「ナローゲージブック1」収録(鉄道模型趣味(TMS)誌414号掲載)の太田安幸さんの「ミニメイルグース」の様ですが、杉山流にアレンジされています。動力系は先日ご紹介したフォードレールカーを1軸駆動にしたもの。この動力は杉山模型の一連のレールカー共通の駆動系です。集電ブラシは前輪にも掛かっており、ちゃんと調整・清掃すれば好調な走りを楽しめます。車輪はHOn3製品と共通のものをゲージだけ変えて使用しており、通常のナロー9ミリやNゲージ製品に比べて厚みがあります。


▲荷物室一杯にモーター(マシマM16)が入っている。運転手はロスト製。

★さて、インスパイヤ元の「ミニメイルグース」は作者の太田さんがとれいん編集部在籍の頃に、同誌のメイル欄にイラストが使われていましたし、先日とれいんスタッフブログの記事(鉄道模型の総合サイト etrain.jp)に被写体として登場、ミニグース好きには嬉しい限りです。
★ところで、同じくとれいんスタッフブログの「鉄道模型の総合サイト etrain.jp」という記事で、松井大和氏が乗工社改造コンテストと、その賞品として貰ったC型コッペルについて書かれています。
その記事の中で松井さんは乗工社改造コンテストについて『あの太田さんの「ミニグース」も出ている』と書かれ、一方太田さんは『「車輛改造コンテスト」に出品したことが記憶に非ず…。』と書かれていますが、実は乗工社改造コンテストに出品された「ミニグース」は他の方の作品だったのです。
鉄道模型趣味(TMS)誌1977年9月号(351号)に改造コンテスト応募作のグラフがあり(残念ながら全ての応募作が掲載されておらず、松井さんの作品はありません)、そのグラフの中に「ミニグース」が掲載されています。当時発売されていた乗工社の丸山型単端のボンネットと動力装置*2を使って作られた作品。「ミニグース」という呼び方もこの時に発案されたものと思われます。
作者は乾五郎氏。写真を見ると手馴れた作りで、腕の立つ中堅モデラーの方だと思われますが、その後お名前を見た記憶がありません。
★前述の太田さんのミニメイルグースの記事の冒頭では、プロトタイプはこの「ミニグース」である事が明記されています。つまり、乾ミニグース→太田ミニメイルグース→杉山ベビーグースと、「ミニグース」はインスパイヤされ拡大再生産され、ナローゲージャーの間に定着した訳ですね。

▲TMS掲載の元祖ミニグースと2ショット
(2009/09/12追記)乗工社改造コンテストに出品されたミニグースの作者のお名前を、「乾八郎」氏と間違って記述しておりました。正しくは「乾五郎」氏です。訂正してお詫び致します。

関連するリンク

*1:東急百貨店日本橋店で夏に開催されるのが定例でした。同時期に松屋銀座で開催されるNゲージショーとハシゴする人も多かったのです。1999年は東急日本橋店が閉店した為、渋谷東横店で開催されました

*2:ボンネットはロストワックス、動力装置はギアを多用した2軸駆動。何度か再生産されたようですが、末期のものは動力装置がプラフレームのPU101に変更されています。