軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

TMS2011年3月号を読む

鉄道模型趣味 2011年 03月号 [雑誌]

鉄道模型趣味 2011年 03月号 [雑誌]

TMS(鉄道模型趣味)2011年3月号を読み終わりましたので、軽くレポートしましょう。
★ナロー関連ではoHagiさんの「駒形石灰工業の加藤3.5トンGL」(1/36・16.5mmゲージ)が掲載。以前からの読者の方であれば、oHagiさんが10年以上前に同様の1/36 16.5mmナローを何度かTMS誌上で発表されているのを記憶されているかと思います。

★今回レイアウトは3つ掲載されていますが、そのうちナローは一つ。そのOn30レイアウト「The Sunday Village Railroad」は2750×1550mmとかなりゆったりとしたサイズで、お馴染みバックマンのプラ製On30機関車達が走りまわるレイアウト。DCCサウンド付きの車輌で運転を楽しまれているとの事。Oスケールだからといって気負った部分がないのが良いと思います。台枠にはラディス(ホームセンターの園芸コーナーで売られている)を使っているそうですが、既に奥麻耶鉄道(TMS2004年2月号/2009年7月号)でも採用されているこの方法、もっと注目されても良いかと思います。
余談ですが、レイアウト上のガソリンスタンドに停まっている赤いロードスターがよく見るとタミヤ1/48のくろがね四起なのにちょっとニンマリ。
★16番レイアウト「後志鉄道」は3600×1800mmの分割式レイアウトで、C62、キハ82、キハ22といった車輌が良く似合う函館本線ムードのレイアウト。カーブポイントを上手く使ってホーム有効長を稼いでいたり、長辺方向で単純な直線にせず、ゆるやかなSカーブかつ築堤にして、走る車輌が格好良く見えるようになっている辺りは運転派モデラーには参考になるでしょう。分割式でストラクチャー(駅舎)も取り外し式なのか、地面との隙間が出てしまっているのが少々残念。なにか上手い解決法はないですかね?
★レイアウトはもうひとつ、Nゲージセクション「新潟県坂町機関区」が掲載。転車台と扇形庫を持つ機関区のセクションで、メインとなる転車台を含め、ストラクチャーも多くのものが自作という力作。記事中で作者の方が書かれている「あってもいいのに無いものが多い」という言葉に思わず頷くNゲージレイアウトビルダーも多いのでは?
林信夫の「フリーランス雑感」第11回目は「夢のドームカー」。近鉄初代ビスタカー10000をモチーフとしたOナローの単行2階建て電車。ビスタカーに同じ近鉄の2階建てバス「ビスタコーチ」(小林氏が以前TMS誌上で作例を出されており、また昔のグリーンマックスのカタログでも紹介されていたので御記憶の方も多いはず)もミックスされているような気も…。2階のドームの内装が泣かせます(笑)
Nゲージジオラマ給水塔のある風景」はお馴染み大谷全彦氏の作品。団地にある給水塔をメインとしたジオラマジオラマと称していますが、手前に複線線路があるので集合式のモジュールとして使えそうな気も…。給水塔はコピー用紙による自作(記事中に展開図があるのでコピーして作れそう)、団地本体はアオシマとトラムウェイの製品ですが、壁面の表現や板金細工による棟番号の取り付けなどで見違えるようになっているのは流石。
記事中の写真で団地の手前をビスタカー(こちらは2代目10100)が通過しているカットがありますが、実物を低速シャッターで撮影したように列車(ビスタカー)が流れているのです。実景の写真で鉄道を主題としていない場合によくあるカットですが、よくよく考えてみれば、レイアウト写真でこういうカットって今までなかったような…。
★「製品の紹介」欄を見ていきましょう。
フクシマ模型の16番西武371系が掲載されていますが、御承知の通り、この号が発売になった2月19日にフクシマは廃業したのであります。実は広告も先月号から今月号から掲載されていなかった事に気が付きました。
工房ひろのマニ362258キット(16番)はまるまる1ページを費やして紹介。この製品は客車の特定番号のスーパーディテールキットでお値段も63000円とスーパー。超エンスージャスティックな製品でただただ驚くばかりであります。
小松商店街鐵道Nゲージデワ3001はレーザーカットペーパー車体による完成品で動力はトミックスパーツを加工・利用したもの。通販のみの製品のようですが、どなたか購入された方はおられるのかしら?
ナローゲージャー的には弥彦フェリー製品(ペアーハンズ販売)の1/48ストラクチャーの小屋(詰所)/転轍機小屋が気になります。ペーパーレーザーカットによる製品ですが、Oナロー用ストラクチャー製品というのは日本で初めてでは?(昔の三線式Oゲージの時代にはお座敷運転用ストラクチャーがあったかもしれませんが)
★「広告に見る 戦後日本 鉄道模型製品の歴史」もついに連載40回。今回は「HO用インサイドギヤーについて」として西裕之氏が一文を書かれています。「鉄道模型社の前身は坂口歯車製作所という柱時計をを初めとする汎用ギヤーメーカー」というのは初耳でした。
★ところで今号の表紙に「青春18きっぷの旅」とあるので、「模型雑誌なのに旅行記?」と不思議に思いつつページをめくると、伊豆箱根3000と伊豆急がずらり…。16番ペーパー電車でおなじみの「とな会」の皆さんが、青春18きっぷを使ってみんなで旅行して、旅先で出会った車輌を競作した…という記事だったのでした。