軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

TMS11月号を読む

みのるさんがご自身のブログに「TMS8月号を読む: 庶茂内・雑記」という記事をアップされているのをアンテナで確認。みのるさんによる鉄道模型趣味(TMS)誌今月号掲載の「女房にしたいレイアウト」…じゃなくて「国鉄相模野線」評が拝読できると思って、早速ポチっとクリックしたのですが…
よくよく見れば11月号ではなく8月号、しかも35年前の1976年8月号の話ではありませんか! いやー、ヤラれましたよ(苦笑)
そんな訳で(どんな訳で?)今回はいたって素直に、現在書店で発売中の鉄道模型趣味(TMS)誌2011年11月号を読んでいきたいと思います。

鉄道模型趣味 2011年 11月号 [雑誌]

鉄道模型趣味 2011年 11月号 [雑誌]

★表紙になっているのは札幌市電。ベテランモデラーの藤島氏によるペーパー自作の札幌市電212号です。
この作品のスケール/ゲージは1/70・16.5mm。昔は16番であっても小型の台車や動力装置が存在せず(だるまやの路面電車用動力装置が発売になったのは確か1979年頃)、大き目の1/70スケールで製作する例も多かったのです。同じく札幌市電の模型でおなじみであった榎陽氏の16.5mmゲージ作品も1/70で、それに合わせて1/70にした旨を以前の記事で藤島さんが書かれていたのを記憶しています。
今では路面電車であっても1/80〜87で問題なく作る事ができますが、例えば1/64(Sスケール)で路面電車を作って、レイアウトの路面軌道上で同一スケールのトミカリミテッドヴィンテージと並べて…なんて事もあっても良いかもしれません。
余談はさておき、この作品は丸みの多い車体をペーパーで見事にまとめており、様々なディテールも手を抜かずしっかりと作り込まれています。
★今号の記事の中で仲間内でもっとも話題になったのは、Nゲージレイアウト「国鉄相模野線」。昨2010年のTMSレイアウトコンペの佳作受賞作。この作品を拝見した途端に思い浮かんできたのが「女房にしたいレイアウト」というフレーズであります。こういうレイアウトが自分の部屋にあって、そこでお気に入りの車輌をあれこれ走らせたら楽しそうですし、またいつまでたっても飽きが来ないレイアウトに思え、それゆえに「女房にしたい」という訳です。
1600×700mmという畳一枚よりも一回り小さいスペースに、5輌編成対応の駅ホームとターンテーブルを持つ機関庫を組み込んだ事は欲張りかもしれませんが、街並みやトンネル、鉄橋といった目を引くものはありません。欲張っているようでいて、実は「レイアウトに欲張りは禁物」をしっかり実行しているのです。また、勾配もなくフラットベースの上に線路を敷いたシンプルなレイアウトではあるけれど、カーブポイントを使用したり、機関庫の扇型庫が線路を隠す役目をしていたり、道路や田んぼが台枠と並行直角ではなく斜めに配置されていたりと、実は何気に考えられていて、自然な風景となっているのです。
線路は茶道床時代のトミックスですが、バラスト散布とエアーブラシによるウェザリングで、それを感じさせないリアルなものとなっています。またカーブポイントや緩和曲線(R541を使用との事)により、道床付線路を使ったレイアウトにありがちなギクシャク感?が無い自然かつ滑らかなカーブを持つ線路配置となっています。実際に列車を走らせた際に、なめらかで自然な走りを楽しめる事でしょう。これは走らせる事が前提のレイアウトでは重要なポイントであると思います。
ストラクチャーはいずれも見慣れた市販品をほぼそのまま使用しているのですが、適材適所(適建物適所?)で風景によく溶け込んでいます。その一方で機関区の中心となるターンテーブルワールド工芸が以前出したキットをベースにタミヤのギアボックスを組み込んで電動化するという手間を掛けておられます。
シーナリーその他は非常に実感的ではありますが、良く見れば細かくディテールを作り込んでいる訳ではありません。最近、細かくアクセサリー類を置いたり、最新のシーナリー材料をふんだんに使えば良いレイアウトが作れる…という勘違いをされる方が多い気がしますが、この相模野線は決してそうではない事を教えてくれます。そもそも、このスペースのレイアウトで細密ストラクチャーや細密アクセサリーが全体に渡ってギッチリであったなら、眺めていて非常に疲れるレイアウトになっているのではないでしょうか?
Nゲージレイアウト「山ノ神参詣鉄道」は書庫の上に置かれている1800×300mmの細長いレイアウト。トミックスのスーパーミニカーブレール(半径R103mm)を活用して急カーブ・急勾配・スイッチバックのある線路配置としていますが、地形を含めたレイアウト全体のプラン・デザインがなかなか優れていると思います。中間にある山を境にして、左半分が冬景色、右半分が夏景色というのも面白いです。小スペース故にかなりの急勾配ですが、その急勾配の個所の写真では箱根登山の電車を走らせて撮影している事で不自然さを和らげているのも上手い方法。これが銚子電鉄の車輌だったら相当に不自然な筈です。余談ですが、書庫の手前に置かれているのがロバート・キャパの本であったりするとこが気になったりして…。
木曽モジュールクラブ(KMC)の連載の3回目は開田高原さんの「乙女橋モジュール」(HOナロー9mm)。自作による橋梁がメインで、平面寸法的にはコンパクトなのですが、高低差があるダイナミックな風景なのでそうは感じないのです。使用されたデジカメの関係なのか、画像の線が太い?のがちょっと残念ですが、実景の山並みをバックにした1枚目の写真がなかなかカッコ良いですね。

★レイアウト関連では、8月号に掲載された1/80 13mm&16.5mmの折りたたみ式レイアウト「河沙院鉄道」の台枠構造詳細の記事も掲載されています。河沙院鉄道も雰囲気の良いレイアウトでしたが、折り畳み式で使用しない時には邪魔にならないというコンセプトが、16番や13ミリの本線物ファンの方には大いに気になったのだと思います。問い合わせが多かった為に追加記事となったのかもしれません。
★16番のレイアウトといえば、小林信夫氏の連載「フリーランス雑感」の今回の記事(加古川線103系を両運転台にしたフリー)の最後に、べニア1枚サイズでR450と300を使った20m車単行車専用のレイアウト案が掲載されています。手前側を半径R450カーブ、奥の山の中をR300カーブとし、手前にゆったりとした駅構内を作るというプラン。単行専門に割り切るというのは良いかもしれません。事実、最近のローカル線は20m車を使っていても単行という例がかなり多いのですから。
★さて、本号には先日開催された第7回軽便鉄道模型祭のフォトリポートも掲載されていますが、今回は「1」としてカラー2ページのみ。昨2010年も同様で、二号に渡っての分割掲載でした。
ナロー専業の方にはあまり縁がないでしょうが、主に16番中心のクラブがあつまる「合運」が関西と関東で相次いで開催されており、この11月号では関西合運(2011鉄道模型大集合 in OSAKA)が、そして恐らく来月12月号では関東合運が掲載されるのです。そして10月末に開催された鉄模連ショウ(日本鉄道模型ショウ)のリポートも来月掲載しなければならない。イベントリポートばかり掲載する訳にもいかないしカラーページも足りないので軽便祭は分割掲載…という事なのでしょう。
不満に思わなくも無いですが、こういう状況ではやむなしと思ったりもします。皆さんどうお考えでしょうか?
★今号では車両作品は冒頭でご紹介した札幌市電以外は全て1/80 16.5mm。その中で個人的に気になったのが北原さんの「連接車製作顛末記」。NEXT京急230ペーパーキットを切りついでショーティー連接車にした作品ですが、京急230ベースで屋根にクーラーが載っているあたりが、昔の「須津谷急行」で走っていたフリー電車に似ていて気になったのであります(須津急は連接車ではありませんでしたが)。
★ところで今回のTMS、レイアウト記事はNゲージがメインですが、車輌製作記事は16番ばかり。Nゲージ全盛の昨今の状況ではこういう内容では売れないのではないか…と他人事ながら心配する訳ですが、近所の駅前の書店では発売当日の夜には残り2冊、翌々日には売り切れていました。ウチの近所で5〜6人は買っているという事ですな。鉄道模型ファンの中で圧倒的に多いであろう普通のNゲージャーの人もレイアウトの記事目当てで買っているのか、それとも16番の車輌工作などに興味のあるファンが思ったより多いのか…。どうもこの辺りが謎であります。