軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

ナンタラnナンタラ(6)最終回・全てのゲージは自称である?の巻

★さて、過去5回に渡って、ナローゲージ鉄道模型で使われる「ナンタラnナンタラ」という呼称法についてツラツラと書いてきた訳ですが、そもそも何を言いたかったのか分からなくなってきた今日この頃でありますが、そろそろまとめに入りたいと思います。実は最近仕事が忙しくて残業続き。屁理屈をこねる気力もありませぬ。
★そういう訳でまず最初に結論から書きますと、

  • ナローの模型を紹介する際には、ナンタラnナンタラだけでなく、スケールと軌間も併記しましょう!

という事であります。
つまり、「On30(1/48・16.5mm)」とか、「HOn30(1/87・9mm)」という様に。なのでSn2やHOn2のように人によって使う軌間が異なる場合でも、「Sn2(1/64・9mm)」「Sn2(1/64・10.5mm)」と書けば問題ないワケです。
★そもそも「ナンタラnナンタラ」という呼び方は、ナローゲージ模型を実際にやっている人には知られていても、一般の鉄道模型ファンにはあまり知られていないと思いますし、覚えてもらおうというのも無理かと思います。もっとも本文中でいちいち「Sn2(1/64・9mm)」なんて書いていたら面倒なので、雑誌やネットで製作記を発表する際の見出しであるとか、製品を出す際の箱のラベルとかでそう書きましょう…という程度の事。まぁちょっとした親切の類の話であります。まぁ、そこまで神経質になる必要もないといえばないかもしれませんが。

HOn2-1/2は9ミリとは決まってない?

★HOn2-1/2(最近はHOn30と書くことが多い)は1/87 9mmという事になっていますが、誰がそれを決めたのでしょう? 前々回に書いた通り、歴史を振り返ってみると、いつの間にか何となく決まった感じを受けます。Nゲージという優秀なマザーゲージ、それにエガーバーンという革命的製品の登場、そしてエガーに続いたアメリカ、ヨーロッパ、そして日本の製品がいずれも9mmゲージを採用した為、HOn2-1/2(HOn30)は9mmというのが事実上の標準、および共通認識(規格に非ず)になったのでしょう。
★我々は「HOn2-1/2(HOn30)は1/87スケール、9mm軌間である」と書いてしまいますが、非常に厳密に言えば「HOn2-1/2は9mm軌間を使う事が多い」というのが正しいのではないかという気がします。まぁ、9.5mmや8.5mmを使うような奇特な人はいないので、HOn2-1/2といえばほぼ100%の確立で1/87・9mm軌間ですがね。
★そんな訳で、Sn2に9mmと10.5mmがあったり、HOn2に6.5mmと7mmがあったりするのは別に問題ではないし、どちらかに決めるべきものでもないかと思うのでありますよ。

ナンタラnナンタラは自称であった?

★ナンタラnナンタラと呼ばれるナローのゲージの中で、On30、HOn2-1/2=HOn30、HOn3などはファンも多く製品も数多く出ていますが、中には超マイナーなものも存在します。例えば「On18」(1/48・9mm)、「Gn15」(1/24・16.5mm)などがそうです。一応ガレージキットの類は存在しますが、このあたりのマイナーゲージというのは多分に「俺ゲージ」的な存在であり、新しいゲージを勝手に作って楽しんでいる部分もあると思うのですよ。勝手に作って勝手に「ナンタラnナンタラ」を自称している訳です。そして雑誌やネットを通じて、誰かが勝手に作った自称ナンタラnナンタラの存在が他のマニアに知られ、賛同されたり面白がられたりしつつ広まっていき、場合によっては製品が発売され、いつしか模型界の共通認識となっていくのではないでしょうか?

NMRA標準にないワケ

★さて、アメリカのNMRAが定めるスタンダードにHOn3やSn3があるのに、HOn30やSn2が無い件ですが、その理由を想像するに「誰も困らないから」ではないかと思い至りました。NMRAスタンダードというのは、線路や車輪をこの寸法で作れば問題なく走るよ…という「ノウハウ」ではないかと思う訳です(線路や車輪だけでなく、車輌限界その他も各種の標準が公開されている)。NMRA「規格」というより「標準」と訳すべきでは…と書いた意味はそういう事です。
★マザーゲージのないHOn3やSn3は車輪や線路に関するスタンダードが必要だけれども、マザーゲージを持つOn30(On2-1/2)HOn30(HOn2-1/2)、Sn2(10.5mm/9mm)は、別にNMRAスタンダードに記載がなくても困らないのです。マザーゲージ準拠でOKなのですから。線路・車輪関係以外の車輌限界やカプラー高さも、ナローの場合は鉄道によってバラバラですので、あまり詳しく決めたところで無意味でしょう。*1。やはりナローゲージというものは、HO/OOゲージ(日本での16番ゲージ)やNゲージとは異なると思うのですよ。

おわりに

★というわけで6回に渡ってアレコレ書いてきたのでありますが、自分なりにいろいろと考えを整理出来ました。それと昔の事を調べるのに古雑誌を読んでいると結構面白く時間を忘れてしまいますね。また、Juniorさんのブログ記事と、その記事へのTad御大のコメントで非常に興味深い話を読むことができたのが大きな収穫であります。
っていうか、コメントだけにしとくのは勿体なにので、自分のブログの記事にして下さいませませ>Tad御大!
(ひとまず完)

*1:木曽モジュール倶楽部や軽便モジュール倶楽部がナローの集合式レイアウトを作る事が出来たのは、走らせる車輌を一つの鉄道のものに限定したからだと思います。