軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

旧TMSに思うに思う

コンさんが鉄道模型趣味(TMS)誌174号(1962年12月号)をゲットされて感想を書かれているのを拝見。

ブログにコメントさせて頂こうかと思ったけれど、長くなるのでこちらに書きますね。

「昔は良かった」というより「昔は面白い」

★コンさんは「製品もパーツも貴重だった時代、ともかく欲しいものは作るしかない時代でした。よくぞここまでと感心する記事ばかりです」と書かれていますが、あの時代を知らない若者(嘘です。若年寄w)からしても、この時代のTMSって結構面白いのですよね。しかし、その時代にタイムスリップして行きたいか?と言われると、それはちょっと違う気がします。
★当時、C62が引く特急つばめやビジネス特急こたまのフル編成が行きかうレイアウトを作ろうとしたら、物凄い労力が必要だった筈。製品が無かった訳ではないけれど、完成品は高かったので今度は労力でなく資金力が必要。つまり一般人には無理だし、夢でしか無かったのです。それが平成の現代であれば、Nゲージのブックケース入りの基本セットと増結セットを買ってフル編成にし、線路もユニトラックかファイントラックを買って、あとはストラクチャー類を買い集めれば、割合容易に出来てしまう訳ですよ。これはこれで進歩だし、有り難い事です。
★ナローに関して言えば、上記の号には伝説の「和久田コッペル」の発表記事が掲載されています。後に「ナローゲージモデリング」に再録されているので御存じの方も多いと思いますが、何もなかった時代に(Nゲージエガーバーンも無かった!)1/80 9.5mmでコッペルを作ろうとし、そして素晴らしい作品をまとめ上げた熱意が感じられて、今読み返しても興味深いのです。ですが、この時代であっても、これだけの事が出来る人がどれだけいたか?というと、やはり一握りでしかなかった気がします。
★さて、50年以上経った今、ワタシのような凡人でも多少お金を積めばHOナローのコッペルを完成品で買う事が出来るのでありますが、「今日、イモンでワールドの井笠コッペルを買いました。ポイントが貯まって良かったです」では記事にはならないのです。せいぜい「チラシの裏に書けよ!」とdisられて終わりでしょう(苦笑)。やっぱりコンテンツとしては、何もなかった昔の苦労した話、工夫した話の方が面白いのですよね。

何の為に作る

★今はコンさんが書かれているように「良い製品が氾濫して作る必要がなくなった」訳ですけど、製品があろうがなかろうが、純粋に楽しむ為に作ると言うのもあって良い様に思います。昔は「無いから作る」「買えないから作る」だったけど、「作りたいから作る」「楽しいから作る」があるべき姿ではないかと思うのです。
純粋に楽しむ為に作るものが、市販の製品と同じレベルである必要もないと思います。極端な話、ボール紙とかまぼこ板で作った車体に、タミヤのギアボックスで走る…なんて物で良いかも(それじゃ小学生の工作だよ!と言われてしまえばそれまでですが)。
★勿論、製品が豊富になった現代であっても、自分で作らないと手に入らない物ってのもあります。製品化されていない車種もありますし、製品があっても自分が気に入るかどうかはまた別。なので、足りない部分を補う為の工作というのも、まだまだありうるとは思います。さらに言えば、自分なりの表現、自分なりの世界を突き詰める為に、全部自作するというのもあるのではないかとも。イプシロン鉄道や岸和田軽便、ブーピープバレイ鉄道の記事を見ると、そんな事も思う訳です。

TMSの立ち位置

★あともう一点、鉄道模型趣味(TMS)誌は800号以上続いている訳ですが、時代に対応しつつ立ち位置を変えていると思うのですよね。ごく初期の頃は実物情報も掲載していたし(実物誌が不十分だったから)、鉄道模型専門誌として唯一だった時代があったけれども、その時代は若年層には一般の模型工作雑誌(「模型とラジオ」や「模型と工作」など)の方がメジャーだった様ですし、これが1970年代末になると一般模型工作雑誌は衰退して、初心者でもTMSを読む様になったり(それに対応して増刊「プレイモデル」も出来たり)、さらにとれいんやRMMといった後発雑誌が出てきてからは、分野によってはそちらに任せたと思しき部分もあったりと。
ですので、資料として読み解く場合は、その辺りの背景も考慮するとより理解できるかと思う訳であります。あと、ついつい自分が読み始めた頃の号を過大評価してしまうものですが、どんな時代でも面白い記事というのはそれなりにあるのであります(それは他の雑誌についても言える)。と言う訳で、皆さん「これは面白かった」「今見ると新鮮」とか、ガンガンネットに感想をアップしてほしいなぁ〜と思うのでありました。