★最近ウィキペディアなどで、762mmのナローゲージを「特殊狭軌」と書いているのをよく目にします。
この「特殊狭軌」という言葉、そもそも近鉄独自の用語で、1960年代半ばに三重交通より762mmゲージの内部・八王子線や北勢線を引き継いだ後、これらを「特殊狭軌線」と称するようになったのです。
★鉄道業界でも趣味界でも、762mmゲージの鉄道を「軽便鉄道」と呼ぶことはあっても、「特殊狭軌」などと呼んでいた事はありませんでした。ですので「国鉄の特殊狭軌線」などと書いちゃっているのには少々アタマを抱えます(鉄道省〜国鉄は1067mmゲージの他、一部762mmゲージ路線を保有していました)。
そもそも「特殊」狭軌というのは今の目でみるとそう見えるのであって、かつて全国各地に762mmゲージの軽便鉄道が存在した時代、それらは別に特殊でも何でもなく、ごくありふれたものだったのです。
★「特殊狭軌」という言葉の是非はともあれ、