軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

Nゲージファインマニュアル2・本線上のストラクチャー

本線上のストラクチャー (Nゲージファインマニュアル)

本線上のストラクチャー (Nゲージファインマニュアル)


休刊したTMS増刊Nゲージマガジンに代わって登場した、SHIN企画発行(機芸出版社発売)の「Nゲージファインマニュアル」の第二弾、「本線上のストラクチャー」が発売になりました。
★前回のNゲージファインマニュアル1に入っていたハガキを出しておいたところ、SHIN企画より刊行のおしらせが到着。さっそくゲットしてきました。一般の書店にまでは並んでいませんが(注文すれば取り寄せてもらえます)、書泉グランデやモデルスIMONには入荷しています。

▲SHIN企画といえば電気機関車本なので、EH10の切手を貼って出しました。
★今回「本線上のストラクチャー」として取り上げられているのは、橋梁、落石覆い、トンネル、鉄道変電所、石垣という線路に関連するストラクチャー。前回同様に内容は非常に濃く、1800円という定価もむしろ安いと感じる次第。この本が対象とするのは熱心なNゲージレイアウトファンでしょうが、ナローゲージャーでも鉄橋に興味がある方は、目を通しておいて損はありません。
★最近の鉄道模型レイアウトでは、橋梁がテーマになっているレイアウト(モジュール)が多い様に感じます。Nゲージでは橋梁関連は各種製品が出ていますが、それらを利用するだけでなく、手を掛けて自作されている作品も多く見られます。そういえばつい先日、KATOから飯田線イメージのカーブ鉄橋セットなどという製品が発売されましたが、そういった近年の作品傾向に影響を受けているのでは?と思えるフシもあります。
★橋梁についてはまず実物の解説から始まり、曲弦ワーレントラス橋梁の製作、そのほかの橋梁の作例3種、製品の橋梁の小加工3種と続きます。ワーレントラス橋梁は以前Nゲージマガジン63号にて掲載されたジオラマ作品に使用されている物ですが、今回はこのトラス橋梁(プラ材によるフルスクラッチ)だけで11ページも費やし、豊富なイラストを交えて製作法を解説しています。

▲製作記事はかくあるべし!(文章だけで書かれてもワカリマセン…)★前回の「車輌基地のストラクチャー」では市販製品ベースの改造が主でしたが、今回はプラ材によるスクラッチの作例が多いのが特徴。プレイモデルやNマガの記事を濃縮した上で醸造したような濃さ。しかも記事を読めば自分でも作れそうです。
★本著は藤原明徳、乾修平両氏の著書となりますが、著者かつ作例作者お二人のうち、藤原さんは本職の土木技術者との事(Nマガ63号の記事による)。以前Nマガの感想で書いた事の繰り返しになりますが、本職故に作例の橋梁のリアリティが半端ではないのです。また、実物の解説も本職として実物を熟知し、かつ手を動かして模型を作られている方ならではの内容で、大変勉強になりました。
★橋梁以外の落石覆い、トンネル等も詳細な図と解説で「作れる」記事になっています。Nゲージはストラクチャー製品が豊富に存在しますが、こだわった物を作ろうとした場合、自作や製品加工をしたくなるもの。しかしその参考になる雑誌記事というのが案外少ないのです。雑誌記事ではレイアウトそのものの発表が多く、ストラクチャーをこだわって自作していても「プラ材で自作しました」というような一言で終わってしまっている例が大半でしょう。ブログやSNSでは細かく製作過程をアップされている方もいますが、まとまった形になっていないため非常に読みにくいのです。単行本として1冊にまとまり、しかも多数の図で解説されているこの本は、貴重な一冊だと思います。
★何故かというか、例によってというか、12/25現在amazonではまだ取り扱いになっていない様子(データベースへの登録が遅れているのか?)。前回の「Nゲージファインマニュアル1」の時にも書きましたが、お近くの模型店で扱っていない場合は、本屋さんで取り寄せをお願いすれば良いでしょう。

Nゲージファインマニュアル2 本線上のストラクチャー
著者:藤原明徳・乾 修平
発行:SHIN企画
発売:機芸出版社
定価:1800円+税
ISBN978-4-916183-32-3