軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

ポーラ(ファーラー)の砕石場/採炭場


先日、小泉さんのお宅に新年のご挨拶に伺ったのですが、お土産としてストラクチャープラキットを頂いてきました。

砕石場


★その中の一つがこちら、FALLERの砕石場です(品番222197)。以前はPOLAから出ていたものですが、POLAはいつの間にかFALLERに吸収されていたのですね。また、アメリカではMODEL POWERブランドで発売されています。

ウェザリングがされていますが、これは小泉さんがランナーの状態で施されていたもの。小泉流のセンスの良い雰囲気が我が家で楽しめますね(2022/06/07追記:どうやら製品段階でウェザリングされていた模様)。さっそくバリバリと組立ます。

★という訳で1〜2時間程で完成。古びてボロボロになっている表現が楽しく、如何にもナローゲージャー好み。実はこの製品、Nゲージ用なのですが、HOナローに使ってもおかしくないというか、むしろ似合う様な気がします。

★裏側から見るとこんな感じ。この写真ではアルモデルのKATO7トンを置いてみました。エガーやミニトレインズだと建物の下をくぐる部分がギリギリですが(土台に何かを挟んでちょっとかさ上げした方が良いかも)、最近の1/87スケール通りの産業用車輌の類であれば問題ありません。
★このプラキット、随分昔からある製品でして、調べたところ鉄道模型趣味(TMS)誌1968年5月号の天賞堂広告で「POLA,QUICK(近日入荷)」として写真入りで掲載されています。この当時はNゲージ用が「POLA」、HO・HOナロー用が「QUICK」とブランドが分かれていましたが、後にはどちらもPOLAに統一された様です。1968時点の天賞堂広告での価格は700円(品番B-250)。また「電動ユニット」というものが別売であり、それが1050円(品番B-251)。昭和43年と今の国家公務員の初任給を比べてみたところ大体8倍程度になっていますので、今の感覚で言えば5000円位になるのでしょうか!?

★この砕石場、N用だけでなくHO用もありますが、小泉さんによればQUICKからPOLAになった時に作り替えられているとのこと。

採炭場(Jack Work's Coal Mine)

POLA(QUICK)のストラクチャープラキットは魅力的な製品が多いですが、今回頂いて組みたてた砕石場に似ているけれど、それよりも大きい採炭場のキットも有名ですね。この製品はそのまま、あるいは加工されて日本のレイアウトでもよく使われていました。こちらもN用とHO用があり、アメリカではModel Powerブランドで販売されています。


★さて、この話題でツイッター上で盛り上がっていたら、Tad御大よりメールがあり、以下のような御教示を頂きました。

  • 採炭場(Coal Mine)のプラキットは、Model Railroader誌1959年10月〜12月号に連載で製作記事が掲載されたJack Workの作品を元にしている。
  • プロトタイプはヴァンクーヴァー島にあったものとのこと。
  • 作者のJack Workは多くのモデラーやメーカーに影響を与えた人で、ジョン・アレンと比肩されるアメリカン・モデラーのヒーローの一人。他にも発表したストラクチャーがキット化されたりしている。
  • 1997年に亡くなった際はMR誌に1ページの訃報と功績の紹介が掲載された。

西ドイツのメーカーの製品ですが、アメリカのモデラーによる作品を元にしていたのですね。確かにヨーロッパというより、アメリカンな感じがプンプンしますね。