軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

ジェネレーション・ギャップ

確か1980年代初頭だったと思うのですが、NHKテレビの番組で「子供の趣味ランキング」みたいのを取り上げていて、その中に「鉄道模型」が入っていたことがありました。
★その番組には作家の藤本義一がコメンテーターとして出演していたのですが、「鉄道模型も僕らの子供の頃はモーターから自分で作ったけど、今はモーター売ってるよね」というようなコメントをされていました。
その頃はブルトレブームと連動したNゲージブーム後であり、入門者はほぼNゲージから…という時代。ランキングの元になったであろうアンケートで「鉄道模型」と答えた子供はおそらく100%近くがNゲージャーだった事でしょう。なので藤本氏の発言を聞いて、当時のワタシは「ずいぶんずれた事いうオッサンやなぁ〜」と思ったものです。
藤本義一は1933(昭和8)年生まれ、2012(平成24)年に79歳で亡くなっていますので、御存命であれば今年84歳。鉄道模型界でいえば昨年亡くなられた関水金属の加藤祐治会長が88歳、ナローゲージャーのパイオニアでもあられる赤井哲朗こと機芸出版社の石橋春生社長も加藤会長と「ほぼ同年」*1との事。いわゆる「昭和ヒトケタ」世代です。
戦中〜戦後すぐに少年期を過ごしたその世代藤本氏にとって、鉄道模型というのは「モーターから作るもの」いう認識だったのでしょう。もちろん、当時も完成モーターは売ってはいたのですが、少年にはとても買えない値段であった…という事です
でもって「俺らが子供の頃はモーター作ったのに、今は売っているのを買うだけなのか〜」とか思っていたら、さらに「車輌そのものを買う」のNゲージが主流になっていたというワケです。藤本義一が鉄道や模型の趣味があったという話は聞きませんし、子供も娘さんお二人の模様。1970年代後半から1980年前後に掛けて急にNゲージが主流になった事に藤本氏が気が付かなかったのも無理はありません。わずかの期間に「モーターを買う」から「量産プラ完成品を買う」に変化していたという事です。
★前述の「僕らが子供の頃はモーターから…」の発言の際の藤本義一の年齢は50歳位。現代の50歳だと「Nゲージも僕らが子供の頃はGMの板キット組んだけど、今は塗装済みキットだよね」とか発言して、「GMだって今は完成品だよ!」「鉄コレが主流」とか若者に突っ込まれるのでしょうか? しかしそうであっても、モーター自作〜モーターを買う〜Nゲージほどのギャップは無いですよね。子供の頃に遊んだトミックスの線路だって、今の線路と繋げられるし、車輌も壊れていなければ使えるのですから。
★ところで、藤本義一といえばマツダ・ルーチェのCMに出ていたよな〜と思ったのですが、このエントリーを書くためにググってみたら、ルーチェCMに出ていたのは黛敏郎だったのでした…。

(2017/01/29追記)

Tad御大からのコメントを受けて一部修正しました。

*1:TMS2017年2月号「編集者の手帖」欄