軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

Nゲージマガジン53号

Nゲージマガジン 53号 2010年 07月号 [雑誌]

Nゲージマガジン 53号 2010年 07月号 [雑誌]

鉄道模型趣味増刊「Nゲージマガジン」が発売になっていたので買ってきました。
前号に引き続き今号もレイアウト記事が一杯。ゲージを問わずレイアウトの記事を見るのが好きなワタシとしては感激です。そもそも、ファンが作ったレイアウトがこれだけ一杯掲載されている雑誌や書籍というのは国内では他に存在しないのではないでしょうか?
★掲載されているレイアウトは8つ。「これなら作れそう」というものから「いつかはこんなの作りたい」というもの、小さいものから大きなものまでいろいろです。
「関東急行 浜田山公園駅」は900×300mmのモジュールですが、最大の特徴はゆるやかにカーブした駅ホーム。東急大井町線をイメージされたそうですが、カラーページにて小田急の車両が置かれている写真では「代々木八幡だ!」、京王の車両が置かれている写真では「下高井戸だ!」と思わず叫びそうになりました。いかにもありそうな雰囲気のモジュールで、レイアウトの肝はレイアウト=線路や建物をいかに配置するかである事を再認識させられます。筆者撮影の写真も、屋外で実景を借景として用いた上に、非常に格好良いアングルで撮影されています。
「スペース:2700×2250mmの2段式レイアウト」余部鉄橋や布原鉄橋を模した風景が見もの。当初は在来線と新幹線のそれぞれ複線エンドレスを持った運転本位のレイアウトを上段に建設した(表紙写真がそのレイアウト)ものの、高低差がなく迫力に欠ける不満を解消する為に、下段に余部鉄橋モジュール、布原鉄橋モジュール、V字谷モジュール…とモジュールを作成・設置してエンドレスとしたもの。いずれも迫力があり見ごたえがあるダイナミックな風景のモジュールです。
「西多摩鉄道」は575×485mmの小型電車が似合うレイアウト。このレイアウトはとにかく作り込みが凄いのです。しかもストラクチャーやアクセサリー、車両に施されたウェザリングも良い感じ。ストラクチャー類はNゲージャーにはお馴染みのキットや完成品を利用しているのですが、加工・ディテールアップ・塗装・ウェザリングで段違いにリアルなものになっていますし、それらの配置もこれまた絶妙。数多く配置されたアクセサリーも非常に効果的です。編集部による写真のキャプションに「いつまで眺めていても飽きることがない」とありましたが、同感です。
「北熊鉄道 妻沼線」は900×600mmのローカル単線レイアウト。鉄道名からわかるように、今は無き東武熊谷線をプロトタイプにしたレイアウト。作者の方は実際に乗ったり見たりされた経験は無いそうですが、900×600といういわゆるデスクトップサイズの中に熊谷線のイメージをうまくまとめています(実は私、廃線間近の頃に乗りにいった経験があるのです)。ローカル非電化私鉄のひろびろとした風景がよく再現されていて、雰囲気の良いレイアウトです。
「東部鉄道富士見線」は2160×1060mm。畳1枚よりもひとまわり大きい位のサイズ。6枚のべニアパネルを合わせたものだそうで、4ブロックに分割して製作したとの事。レイアウトでよく使われる1800×900mm位のサイズであっても真ん中の部分には手が入らなくなる事が多いもの。確かに分割して製作して最終的に合体した方が合理的ですね。
「第2MOTO鉄軌道 双葉交通LINE」は900×450mm。曲線半径190mmの小型レイアウトですが、ミニカーブ線路ではなくフレキシブル線路を使用。PECOのPC枕木タイプのフレキですが、白いコンクリート枕木が印象的、カントを付けてあるのも良い感じ。半径190mmなら20m級車でも通過するものがあるので(動力のウォームやジョイント廻りの構造による。鉄コレ動力は何ら問題なく走る)、スペースの限られた方はこの位のサイズのホームレイアウトを考えてみては如何でしょう?
「想い出鉄道 常盤支線」は490×340mm。100円ショップで購入した三脚付きの額状のコルクボードにトミックスのスーパーミニカーブレール(R103)のエンドレスを設置したミニレイアウトで、運転しない時は三脚に立てかけておくというのがミソ。実はこの三脚付きコルクボードは私も近所の百均で見かけて、「これにミニパイクを作って…」と思っていただけに「やられたー」と思いました(笑)。小さいスペースなれど右半分には山を作成してあり、立体感と景色の遮断に効果をあげています。
「部分的に複々線を組み込んだ都市型レイアウトを考える」は、複々線レイアウトの一部を地下化して、地下鉄と私鉄の相互乗り入れ駅風にしてみようというプランと実例の記事。思えばNゲージであってもJRや大手私鉄の通勤電車が各種製品化されているけれど、それを走らせるのにふさわしい都市型レイアウトというのは今まであまり作られていないし研究されていない気がします。ナローゲージャーでありながら、実は都市型レイアウトというのも結構好きなので、興味深い記事でした。
★レイアウト記事の事ばかりになりましたが、車両作品ではクモル23にアイコムのキャラメルN動力を組み込んで動力化する記事に「その手があったか!」と感心。それにしてもキャラメルN動力、当初からボギーにも使えるようにするとか、台車側枠を交換できるようにしておけば良かったのに…と思うのですが、どうでしょう?
その他の車両作品も力作かつレベルの高い秀作揃い。正直とても真似できないと思う事しきりです。
★まだまだ書きたい事はあるのですが、長くなりましたのでこの辺りにて…。