軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

Nゲージマガジン60号

Nゲージマガジン 60号 2013年 12月号 [雑誌]

Nゲージマガジン 60号 2013年 12月号 [雑誌]

12月10日に発売されたNゲージマガジンですが、60号なのでありますね。夏と冬の年2回発行ですので、創刊から30年が経過していたのでありますよ。プレイモデルが改名してNゲージマガジンになったのはつい最近の様な気がしますが、もうそんなに経っていたのですな。
さて、今回のNマガもレイアウトの記事が満載です。現在の日本で作られる鉄道模型レイアウトの大半はNゲージ。その出来は玉石混合ですが、「玉」のレベルは今や相当に高いのです。
★表紙になっているのは「4路線が走る回廊式レイアウト」。Nゲージマガジン55号から57号で発表されたセクション(「阪急電鉄北野架道橋」「近鉄京都線澱川橋梁」「関西本線(JR大和路線)第四大和川橋梁」)を組み込んだ3520×3200mmの壁面周回形レイアウト。組みこまれたセクションはいずれも力作でしたが、それらが合体し、さらには新規作成部分が付けくわえられて、大迫力の大型レイアウトになっています。編成物がしっかりと作り込まれたダイナミックな風景の中を走り回る姿は魅力的。こういうレイアウトでガンガン編成物を走らせたら楽しいでしょうね。
★「美吾旅鉄道「再開発」」は900×600mmの路面電車が走るレイアウト。巻頭のカラーグラフで6ページ+白黒で4ページを費やして紹介されており、今号の目玉記事でありましょう。都市が舞台ですが、高低差のあるプランで、3層に折り重なった線路配置となっています。密度が高く、見応えのあるレイアウトです。線路はPECOのフレキを使用し、路面軌道部分も市販の路面線路ではなく石膏を流してからレールを掘り出す手法で作られています。全ての建物には照明が組み込まれ(それどころか道路上の自動車も全てライトが点灯する!)、夜景も非常に美しいのです。
以前にも書きましたが、一番最初の美吾旅鉄道は今から30年以上前のプレイモデル5号(Nゲージマガジンの前身)に発表された900×600の小型レイアウト(奇しくも今回のレイアウトと同一サイズ)。当時流行っていた「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」というTV番組より命名されているのですが、今回の路面電車レイアウトには良く見ると「たべごろレストラン」なる建物が。思わずニヤリとしたベテランNゲージャーの方もおられるのでは?

★「里山鉄道新緑線」は1200×650mmの昭和時代の国鉄ローカル線風レイアウト。プラン含め諸星昭弘氏の「テーブルサイズのNゲージレイアウト」(NHK出版)を参考にして作ったそうですが、40年ぶりの模型工作とは思えない出来です。落ち着いた派手過ぎない色調で、車輌や建物への程良いウェザリングも効果的です。
★「ローカル鉄道田舎線」は900×600mmの平成時代のローカル線風レイアウト。平坦な風景でエンドレス1本のシンプルなレイアウトですが、現代のローカル線及び田舎の広々とした風景がよく再現されています。平坦な風景ですが、背後に丘を作ってあったり、レイアウト全体を横切る道路がS字状にうねっていたりと、全体のデザインがさりげなく良いのです。ストラクチャーやアクセサリーも市販品利用なれど、その選択にはかなり気を使っている様に見受けられます。
★「想い出鉄道想い出工場線」は450×450mmの工場専用線風レイアウト。真ん中に工場があり、その周囲をR140のエンドレスが走っているのですが、台枠に対して並行ではなく斜めにしてあり、四隅の角にはそれぞれミニシーンが展開されています。工場はGMストラクチャーキットのプラント工場をベースにしていますが、ただ並べただけでなく、いろいろ手を加えたり、付帯設備のタンクやパイプラインなどを自作や改造で作り込んだりして、いかにもありそうな工場風景となっています。草の生い茂った引込線があるあたりもそれらしくてそそります。
★「留置車輌がいる風景」は420×175mmのジオラマ。特急型電車の食堂車が錆だらけになって留置されている風景なのですが、色褪せと錆の表現がなかなか。さらには全体が寒々しい冬の風景で、枯れ草の生い茂る向こうに色褪せ錆だらけになった休車が佇んでいます。今までのNゲージ作品にはあまりなかったタイプで、ナロー系の人が結構ぐっとくるかもしれません。走行を目的としていない為、線路も9mmではなく7.1mmになっているとの事。
★「『峠越え』モジュール全体の完成」は、前号(59号)で掲載され表紙にもなったモジュールの続編。前回のモジュールの右側に接続されるもので、より山奥の風景となっています。今回も線路だけでなく、並行する道路もかなりの作り込みがされており、眺めているとまるで自分がドライブしているような感覚になります。山の中には森林鉄道の廃線跡という想定の林道もあり、ナローファン的にはそそられます。

★「パソコンで制御するBトレレイアウト」はBトレインショーティーが走りまわる1800×420mmのレイアウト。2013年のJAMコンベンション(国際鉄道模型コンベンション)にも出展されていたので、ご覧になった方も多い筈。
ユニトラックのR117とR150を使った複線エンドレスで、パソコンを使った自動運転に対応、信号もパソコン制御で動作、駅のアナウンス(何とプロの声優に依頼したとの事)も流れ、さらにはレイアウト内部に組み込まれたカメラからの映像が台枠に組みこまれた液晶モニタに表示され…と、様々なギミックが組み込まれたレイアウトです。

★というわけで、今回もレイアウトの記事に絞って紹介させて頂きました。