★先日twitterの方でもつぶやいたんですが、現在この本は古本屋や特価本店にゾッキ本として半額以下の2000円前後で流れています(定価は4500円)。ヤフオクでも古書店と思しき出品者から複数出品されています。
★2001年に発行されたこの本、日本各地の地方私鉄(掲載されているのは62社)の明治から戦前に掛けての絵葉書などの写真を集めたもの。掲載されている写真はナローや小型電車の好きな皆さんなら「おおっ!」と思うような貴重なものもあります。しかも漫然と集めただけの本ではなく、取り上げた各鉄軌道に関しての解説や年表も添えられています。
★この本、表紙とサブタイトル「明治のある日人車や馬車鉄道が走り始めた」を見ると人車や馬車鉄道しか載っていないように思ってしまいます。人車軌道や馬車軌道って廃線跡ファンを除いてあまり人気が無いですよね。多分、鉄道好きや模型好きってメカ好きの延長だからなんじゃないかと思うのですが。それはともかく、内容は人車軌道や馬車軌道だけでなく、蒸気や内燃による軽便や電気軌道も含まれている・・・というより、人車軌道や馬車軌道の方がむしろ少ないのです。
宇都宮石材軌道の日本鉄道事業の単端、熱海軽便のへっつい機関車、創業期のコッペルがイギリス風客車を牽いて走る草軽、これまたコッペルが列車を牽く耶麻軌道(のちの沼尻)、鳥居の下を架線がくぐっている富士電気軌道、鹿島軌道の丸山単端・・・。ナローではなくトロリーの方も、武蔵中央、玉電、江ノ電、布引電鉄、登別温泉・・・と目白押し。趣味人が撮影したものでなく、絵葉書その他として撮影された写真が多いので、レイアウト作りの参考にもなると思います。既に鉄道雑誌に紹介された事のある絵葉書写真もありますが、横綴じ大判のこの本で大サイズで見るのは格別。それにまとめて1冊になっているのは非常に便利であります。
★この本が出た当初、ワタシは気が付かなかったのか表紙を見て自分の範囲外だと思ったのか意識の範囲外にあったのですが、友人の家で見せてもらって感激、すっかり買う気になりました。そして2ヶ月程前に仕事のついでに神保町の書泉グランデに寄ってみたら、ちょうど在庫があったので買ってきたのであります。ところがどっこい、忙しさにかまけて見るのを後回しにしている内に近所の古本屋に2000円で並んでいるではありませんか! さらには先日東横線武蔵小杉の駅構内で特設されていた特価本販売コーナーでも2000円で山積みに。小口の部分に押されたマルBの赤いハンコに全てを悟ったのであります*1。
★しかし、もっと早く気付いてもっと早く紹介していればこんな事にはならなかったかもしれない・・・と思うと少々残念(まぁこのブログの力なんぞ微力も微力なんですが)。デフレの世の中、特価本で安く買えるのは財布には嬉しいけれど、著者の方や出版社にとっては逆に厳しい話。そして「売れなかった」という事実は、続編や同様の本が出る機会を確実に奪っているのですはないでしょうか。
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