軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

モデル8・日車単端


モデルワーゲンからHOナローの日車単端・井笠ジ5が発売され、複数の方が早速組立レポートをWeb上にアップされていますね。そこでワタシも対抗して(?)かつてモデル8から発売された日車単端(HOナロー9ミリ)をひっぱり出してきました。
★モデル8の日車単端は、まず1986年に発売*1。その後1994年に「初期型」が発売*2。製品としての基本的構成は同じですが、86年発売の初回製品は乗務員扉が折戸のタイプ、94年発売の製品は乗務員扉が車体とツライチの開き戸のタイプで、後者は実車では初期に生産された形態*3であるため「初期型」と称しているのでしょう。また前輪ボギーのタイプも雑誌広告で予告されましたが、結局発売されなかった様です*4
ご覧頂くのは94年発売の「初期型」。買ってすぐに組み立てて遊んだのですが、よく考えてみれば16年!も前の話。よって車体の塗装が剥げていたり、埃をかぶって薄汚く(下手なウェザリングのせいもあり)お見苦しい姿ですが、何卒ご了承ください。
★この製品、車体をロストワックス一体で鋳造するという意欲的製品であり、組立にはハンダ付けは不要。接着剤もごく一部に使うだけで後はネジ止めでOKという非常にイージーなキットです。ロスト一体車体の為か、価格は決して安くはなかったのですが、未塗装キットないし未塗装完成品と考えれば、実はそれほど高価とは言えないのではないでしょうか?
★下まわりはプリント基板になっている床板に軸受(ロスト製)やモーターその他をネジ止めで取り付けていくというもの。ドライバー1本あれば良く、配線を含めてハンダ付けは一切不要です。床上に取り付けた両軸キドモーターからアイドラーギアを経由して車輪を駆動する方式で、床下は実車通りすっきりとしています。

★この製品、当時のモデル8の広告では湯口徹氏による監修を謳っていました。湯口さんの「レールバスものがたり」が鉄道ファン誌に掲載されたのが1979年、その後の研究成果を元にした「続・レールバスものがたり」が同じく鉄道ファン誌に掲載されたのが1984年。それまではこういった初期の気動車については資料が少なく、製品にしても半ばフリーであったのです。
ところでこのモデル8の単端、実車の図面と比較すると、車体幅が狭いのです。おそらく意図的にアレンジしたものと思われますが…
★何年か前に再生産されるという話があり、蒲田での鉄模連ショウで展示運転されていた事もありましたが、結局果たされず。モデル8自体もここ何年かTMS誌上の広告も更新されないまま…。残念でなりません。

★最後にワールド工芸製品(三重シハ)とモデルワーゲン製品(井笠ジ5)と並んだショットを。

ワールド製品は家元が製作中のもの。モデルワーゲン製品は浜リンさん作。同じ日車単端をHOナローで模型化した製品ですが、こうして並べるとメーカー毎の個性の違いがよく分かります。

(2011/02/26追記)

西南海観光鉄道さんが、このキットの組立前の状態をアップされています。部品の構成その他が良く分かるので、是非ごらんになって下さい。

(2019/10/06追記)


その後、このキットは再生産された様で、鉄模連ショウや軽便鉄道模型祭などのモデル8のブースで何回か販売されています。
最初は動力なしでしたが、その後パーツを調達したのか、以前同様の動力付で販売されています。

*1:TMS誌86年11月号の製品の紹介欄に掲載

*2:TMS誌94年3月号の製品の紹介欄に掲載

*3:鞆鉄道カハ1、2、井笠鉄道ジ3、5、下津井鉄道カハ1〜3、三蟠鉄道フジ1が該当。なお鞆鉄道のカハ1→キハ1は戦後無許可でより新しい下津井のカハ4(ドアが引き戸)を譲り受けた二代目と入換えられている事に注意。

*4:86年発売、94年発売の双方共に、箱のラベルには「(2軸)」の文字があり、前輪ボギー仕様を出す予定だった事が伺えます。