軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

ナンタラnナンタラ(2)

イギリス式とヨーロッパ式

前回のつづき)
★ナローの世界ではアメリカ式の「HOn3」「On30」というような呼び方の他に、イギリス式のスケールを表すアルファベット大文字+ハイフン+模型における軌間を表す数字という表記法(例「0-16.5」)や、ヨーロッパ式のスケールを表すアルファベット大文字+実物の軌間を四段階のアルファベット小文字で表すという表記法(例「HOe」)があります。
イギリス式の実物でなく模型で使っている軌間で表す方法は、O-16.5やOO-9が日本でも知られています。ハイフンを付けず「OO9」と書く場合もありますね。この方法で書くと、前回上げた例はHO-7とHO-6.5、S-10.5とS-9というようになり(実際にそういう表記をしている例はありません。念の為)、呼び分けは出来る訳です。
しかしこの方法は、プロトタイプとした実物のゲージが分からないのです(「スマホの電卓機能で計算すればいいじゃん」なんてツッコミは無しで…)。よって、気に入らない方もおられるかもしれません。
★一方、ヨーロッパ式では以下のようなお約束になっています

  • 実物の軌間が1250〜1700mm =(何も付けない)
  • 実物の軌間が 850 < 1250mm =m
  • 実物の軌間が 650 < 850mm =e
  • 実物の軌間が 400 < 650mm =i

MOROPが定めているNEM010というゲージ/スケール一覧表を見ると、HO(1/87)ではHOmが12mm、HOeが9mm、HOiが6.5mm。S(1/64)ではSmが16.5mm、Seが12mm、Siが9mm、、O(1/45)ではOmが22.5mm、Oeが16.5mm、Oiが12mmとなっています。しかし、HOm、HOe、Om、Oeあたりはプラ製品もあり広く認知されていると思うのですが、HOの6.5mmナローはHOiでなくHOfと呼ばれている例が多いですし、Sm、Se、Oiは実際に製品その他があるかどうか非常に疑問です(ニュージーランドや日本では1/64・16.5mm、アメリカ式でいうところのSn3-1/2は製品が存在していますが)。
もし、軌間が405ミリゲージの実物をOスケール1/45で、Nゲージ=9mmの下回りを作ったら何と呼ぶか? Oiは既に12mmと決められているので、そうは名乗れないのです。「そんなマニアックなゲージに名前なんて付けてられません!」という事なのかも。
そんな屁理屈?はともかく、ヨーロッパ式ではプロトタイプとした実物のゲージは分からなくはないけど、大まかにしか分からないのであります。

プロトタイプの実物ゲージがアイマイ?

★こうしてアレコレ考えている内に思ったのが、アメリカのナローゲージモデルはプロトタイプとしている実物の軌間が明確なのに対し、イギリスやヨーロッパのナローゲージモデルは曖昧なのではないか?という事です。ヨーロッパ型でもHOmはそのものズバリのメーターゲージの鉄道(スイスナローなど)を模型化しているので明確ですが、例えばイギリスのOO-9やO-16.5の製品、あるいはHOeの嚆矢である西ドイツのエガーバーンがプロトタイプとしているのは、750ミリや762ミリゲージの実物ばかりではなく、それよりも狭い600〜610ミリゲージ前後の実物も含まれているように思えます。既存のゲージのインフラ流用、技術的制約(6.5mmのZゲージは長い間メルクリン製品しかない時代が続いていました)、商品としての一般性重視、そして日本の「16番」的な思想(=実物のゲージが異なる物を、模型では同一の線路で走らせる)といったところでしょうか。
またヨーロッパやその植民地は、ナローゲージの実物の軌間が多種多様の模様。ちょっと調べただけで、600mm、610mm、650mm、750mm、762mm、800mm、950mm…と、実にきめ細かいバリエーション?がある事がわかります。日本やアメリカはそこまでバリエーションに富んではおらず、600mmから1000mmまでの間のナローはアメリカは3フィートと2フィートが大半、日本では2フィート6インチ=762ミリと2フィート=610ミリが大半です(勿論例外はありますが)。
つまり、イギリスやヨーロッパのナローファンや業界は、プロトタイプとした実物のゲージを曖昧にしたいという思いがあるのではないか?と思う訳です。
(つづく)