軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

第13回国際鉄道模型コンベンション(JAM2012)の個人的リポート(その1・レイアウト編その1)


JAM(国際鉄道模型コンベンション)が終わって1週間。今年も楽しませて頂きましたが、さすがに設営日含めて4日間通っていると疲れますね〜。まぁ毎日終わった後に飲みに行っていたのが原因という説もありますが(苦笑)。それはさておき、ようやく疲れもとれてきましたので、個人的レポートをしたいと思います。
まずはレイアウト編であります。

激団サンポール

昨年は「わりばし会&桜の森鉄道模型クラブ」として出展されていましたが、今年は「激団サンポール(わりばし会&桜の森鉄道模型クラブ Feat.三都鉄道)」として大幅にパワーアップ。個人的にはここが一番面白かったし、勢いを感じました。
わりばし会はメンバーの方の作品が今年二回もTMS(鉄道模型趣味)誌の表紙になっているというサークル。
鉄道模型趣味 2012年 08月号 [雑誌]
鉄道模型趣味 2012年 04月号 [雑誌]
昨年はTMSレイアウトコンペ入選作も展示されていたので、今年も見ておかなければとは思っていたのですが、予想以上にパワーアップしていました。


路面電車を組み込んだこのモジュール、小さいながらも立体感に富んで見応えがあります。コーナーモジュールに路面電車やナローの支線のエンドレスを組み込むという例はしばしばありますが、ここまでまとまっているというか、単体で見られるレイアウトになっている例は少ない気がしますし、非常に魅力的です。良く見るとストラクチャーもほぼ自作です。作者の方は20代前半との事で、今後が楽しみであります。


このモジュール、手前に併用軌道でナローが入ってきているところがグッときますが、全体のデザインが非常に良いですね。サンポールの皆さんのブログを拝見すると、作者の方はプロの写真家の模様。なので構図がしっかりしているというコメントをみて、成程と感心した次第です。全体の色調も白っぽく仕上げられていて、夏の日の雰囲気を良く醸し出していました。

ナローファンとして気になるのはこの北勢線の桑名の立体交差をモチーフとしたモジュール。短期間で作られたものの様で仕上げ等はこれからの様ですが、なんと近鉄(9mm)、JR(6.5mm)、北勢線(5.1mm)と3種類のゲージを作り分けています。電車は下津井鉄コレが置かれていますが、これは是非近鉄ナローを置いて頂きたいところ。

上からみるとゲージの違いが良くわかります。

実在の犬山橋を模型化したモジュール。こういう豪快なモジュールはNゲージならでは。写真では近鉄アーバンライナーが走っていますが、やはり名鉄パノラマカーが「どけよどけよコロすぞ〜」とミュージックホーンで車を威嚇しながら走るシーンを見たいところ。

こちらは小湊鉄道の橋梁を模型化したもの。カメラを向けたところ、わざわざ小湊の車輌を置いて頂きました(ありがとうございました!)

このような国鉄型ファン、本線物ファンが喜びそうなモジュールも。こちらのモジュールは色調が独特でして、上手く言い現わせませんが、昔のカラー写真のような色調に仕上げられているのです。


このようなアート的、幻想的なモジュールも。

昨年も出展されていた古墳のあるモジュール。裏側にある解体途中のビルの表現に感心。

そして真打はこちら、今年のTMSレイアウトコンペ入選作の「ガード下の風景」。全体のデザインや配置、色調、細部の作り込み、どれをとっても隙が無く、見ていて飽きません。
サンポールのモジュールですが、規格は複線間隔37mm(すなわちトミックスの規格)など、接続部分について決まっているだけの模様。必要最小限の規格に留めるという見識は評価されて良いと思います。集合式レイアウトにおける規格はあくまでもちゃんとつなげる、ちゃんと走るようにする手段の筈ですが、それを目的と勘違いする向きも無きにしもあらず。また、リアル派からファンタジー派、昭和から未来まで何でもありでバラエティー豊かであるところも、最近の「集合式」レイアウトが忘れてしまった部分ではないでしょうか?
なお、現在発売中の雑誌、季刊「N」(イカロス出版)にて、激団サンポールについての記事が掲載されています。興味のある方はご覧になる事をオススメします。

JMLC(ジャパンモジュールレイアウトクラブ)

旧JANTRAKメンバーによって発足した老舗の集合式レイアウトのクラブ。第1回のコンベンションから欠かさず出展されています。


川越鉄道さんの新作。Nナロー下津井(ゲージは6.5mm)が走っています。あっさり作った様でいて、良く見ると背景画がしっかり書きこまれていたり、ストラクチャーも自作されていたりと手が掛けられていて、なんとも味のある作品となっています。

こちらは今年のTMSレイアウトコンペ入選作品。紅葉がアクセントになっていますね。


TMSにも何度も作品の登場している植竹さんの新作モジュール。あちこちのブログで取り上げられていますが、駅伝風景が楽しいです。単に細かく作っているだけではなく、背景画などにも注目したいところ。

こちらも新作でしょうか。JMLCのモジュールは旧JANTRAKからの規格、すなわちアメリカのN-TRAKに準拠したアメリカンサイズ?ですが、その大きなスペースを使って間延びなく構成しているところは流石ですね。

駅前風景。目線を落として見ると良い感じです。

というわけで、激団サンポールとJMLCのブースで展示された作品の中からピックアップしてご紹介しましたが、JAMレポートレイアウト編はまだまだ続きます。(あと2〜3回かかるかも…)
2に続く