軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

軽便鉄模アンケート2008・分析編1(ナローの割合とゲージ・スケール)

先月実施した「軽便鉄模アンケート2008」の集計と分析ですが、いろいろ忙しくて手が付けられないままでした。すいませんです。
今日から何回かに分けて、集計結果の発表と分析をしていきたいと思います。第1回目は「鉄道模型に占めるナローの割合」と「採用しているナロー模型のゲージ・スケール」、それに「併用しているその他のゲージ・スケール」について取り上げてみます。

Q1:あなたの鉄道模型に占めるナローの割合はどれ位ですか?

思った以上に高いナロー率

★回答者28名の方の「Q1:あなたの鉄道模型に占めるナローの割合はどれ位ですか?」に対する回答値を平均してみたところ、68%という値が出ました。
★この割合を回答する際、何をもってパーセンテージを出すか迷われた方も多かったのではないでしょうか? 持っている車輌の数の比率なのか、費やす金額の比率なのか、それとも費やす時間の比率なのか・・・ 多くの方は直感的に気分で付けて頂いたのかと思います。
★回答結果を詳しく分類すると以下の通りです。

100% 4名
90〜99% 2名
80〜89% 9名
70〜79% 4名
60〜69% 0名
50〜59% 3名
40〜49% 3名
30〜39% 0名
20〜29% 0名
10〜19% 2名
0〜 9% 1名

約半数の方は80%以上の比率で、100%ナロー専業という方もおられます。面白いのは60%台や20%台、30%台と回答された方がいない事。回答された方々のナローに対する気持ちを表しているのではないでしょうか。 100%の方は「ナロー一筋!」、70〜90%の方は「ナローゲージャーですが他のゲージも楽しんでますよ」、40〜50%の方は「ナローとスタンダードの両方を楽しんでます」、0〜10%の方は「これからナローがんばります」というところでしょうか?

Q2:あなたが楽しんでいるナローゲージ模型のゲージとスケールは?(複数回答可)

Oナローと「乙」が健闘。

★採用しているナローゲージ模型のゲージ・スケールは以下の通りでした。

HOナロー 9ミリ 23名
HOナロー 6.5ミリ 11名
Oナロー 16.5ミリ 14名
Oナロー 12.7ミリ 3名
Nナロー 6.5ミリ 1名
G 2名

(注:HOナローには1/76〜1/80も含む)
やはりHOナロー9ミリが多数派ではあるものの、予想以上にOナローが多かった事に意外な感じを受けました。

もはやHOナローはお手軽ではない?

★10〜15年前であれば、HOナローの世界では乗工社がまだ健在で、プラフレームのパワーユニットによるお手軽なエコノミーシリーズがありましたし、天賞堂が輸入していたロコインターのHOeプラ製完成品のCタンクとCディーゼルとトロッコもありました。一方Oナローはオレンジカンパニーや中西工房、珊瑚模型店の製品のような、細部まで作りこまれた上級者向きかつ高級・高額な製品しかありませんでした。
★ところが平成20年の今、HOナローの世界は乗工社が破産・閉業してから既に10年近くが経過し、流通在庫も既に枯渇。乗工社を引き継いだはずのモデルスIMONも12ミリの高級製品がメインで、高級タイプのナロー製品はともかく、人気のあったエコノミータイプはほとんど再生産されていません。*1さらにワールド工芸も近年は値段が上がり、薄板エッチングのデリケートな構造はお手軽とは言えないでしょう。モデルワーゲンはもともと拘りのあるマニアに向けての製品で、いわばオレカン的OナローのHOナロー版です。プラ成型のHOナローを製品化した津川洋行も結局は挫折してしまった訳ですし*2、ロコのHOeも近頃国内では見かけません。今や手軽に楽しめるHOナローはアルモデルが唯一なのではないでしょうか?*3
★しかし、Oナローであればバックマンのプラ製完成品があります。アメリカ型ですからバカでかい車輌*4も多いですが、ポーターやガスメカのような小型の車輌も一応ありますし、一部の量販店*5でも売られています。そして何よりも価格が安いのです*6。新たにナローに入門しようという方は、HOナローではなくOナローを選択しているのではないでしょうか?。さらに、アルモデルやペアーハンズのいわゆる「お手軽系」のOナローがここ1〜2年続々とリリースされた事もこの状況を後押ししているでしょう*7。何と言ってもモデルワーゲンのHOナローのホイットコムより、ペアーハンズのOナローホイットコムの方が価格も半分以下だし組立も簡単なのです。

来年は乙と大乙がくる?

★HOナロー6.5mm(いわゆる「乙」)についても、今後やりたいという方を含めて11名。走行関係パーツの流用に最適なZゲージに複数の国内メーカーが進出し*8、製品が出回るようになった事や、クリクラことクリッターズクラブの伝道によるものと思われます。Oナローでも12.7ミリ(On2)が3名おられますね。
★そういえば、HOn3やOn3と答えられた方がおられないですね。アメリカ型ナローファンの方は、日本人であっても日本のWebは見ていないのかも・・・

Q3:あなたが楽しんでいるナローゲージ以外の鉄道模型のゲージとスケールは?(複数回答可)

やはりNと16番が多い

★併用しているナロー以外の鉄道模型は以下の通りでした。

N 16名
16番/HO(16.5mm) 17名
12mm 7名
13mm 2名

このほか、OJ、ZJ、三線式Oゲージなど
★やはりNゲージが16名と多いのですが、16番、またはHOゲージも17名の方が併用しています。ただし、16番といってもバラキットを組み立てたりして楽しんでいる方と、KATOやTOMIXのプラ製品を買ってきて走らせて楽しんでいる方とが混在しているのでは?と想像しています。12mmの7名の方は、1/87が大半のナロー9ミリと並べて楽しむ為に1/87 12mmを採用しているのでしょうか。
★大まかに分けると、

  1. ごく普通?タイプ・・・Nゲージもやっている
  2. 工作派タイプ・・・16番のキット工作もやっている
  3. 模型なら何でも楽しむタイプ・・・Nや16番、その他のゲージもやっている
  4. ファインスケール指向タイプ・・・1/87 12mm併用

この4つのタイプに分けられるのではないでしょうか?
その2に続く)

*1:ポーター亀の子が完成品で生産されたのと、軽便祭に合わせてでた雨宮とボールドウィンだけですね。せっかくIMONミニモーターとベリリウム集電ブラシでよく走るようになったのに(涙)

*2:売れ残っている車輌を買う時は動力装置のギアに注意。経年変化で必ず割れます。

*3:Nゲージの下回りを利用するため良く走りますが、蒸機や加藤・酒井のような小型DLなどは利用可能な下回りが無くて製品化されていないのが難点ですね。

*4:そもそもニブロクの車輌に比べて一回り以上車体断面の大きい3フィートの車輌を16.5ミリで作っている訳で

*5:タムタムとかさくらやとかLAOXとか

*6:長者丸氏が「亀の子が7000円かよ! そりゃみんなOナローやるよな」と言ってました。

*7:ペアーハンズのOナローはアルモデルのOナローを参考にしているフシがありますし、アルモデルのOナローは小泉さんの「Oナロートロッコモデリング」(機芸出版社刊)の影響を強く受けています、ペアーハンズOナローも特殊軽量機関車は小泉さんの作品を参考にした製品です。「トロッコモデリング」はお手軽系Oナローの起源でありバイブルであるのです。

*8:PRO-Zの東京マルイはエアーソフトガンが主力製品ですが、昨年の銃刀法改正によってエアーソフトガンに対する規制が厳しくなったそうです。そのあたりがマルイが鉄道模型に進出した背景にあるのかもしれません