軽便鉄模アンテナ雑記帳

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牧野俊介氏の写真集「軍機保護法下の汽車・軽便」

軍機保護法下の汽車・軽便(達人が撮った鉄道黄金時代3)

軍機保護法下の汽車・軽便(達人が撮った鉄道黄金時代3)

★牧野俊介氏と言えば、戦前に西日本を中心とした軽便や地方私鉄を撮影されたベテランファン。その作品には貴重なものも多く、氏が撮影されたものしか写真が残っていないという車輌も多いようです。
それらの写真は30年程前にプレスアイゼンバーンより「自転車に抜かれたコッペルたち」「岡山より汽車を求めて(上・下)」という写真集にまとめられ発行されましたが、「岡山より〜」の下巻を除いて版元品切れになって久しく、新しくナローに入門された方にオススメしたくても入手できずに残念に思っていました。
★その牧野氏の写真集がJTBパブリッシングの「達人が撮った鉄道黄金時代」という大判のシリーズの3巻目として発売されました。題して「軍機保護法下の汽車・軽便」。随分厳しい題名ですが、「自転車に抜かれた〜」「岡山より〜(上・下)」の3冊に掲載の写真をまとめたものと思って良いでしょう。各写真には湯口徹氏による解説がなされています。
撮影時期は昭和12年から17年の間。題名の通り軍機保護法により厳しく撮影が制限される中、監視の目を潜り抜けて撮影された度胸には脱帽です(捕まったら怒られるどころじゃ済まないんですから)。
ナローでは下津井鉄道、鞆鉄道井笠鉄道西大寺鉄道、宇和島線、南筑軌道、豊洲鉄道、赤穂鉄道、中勢鉄道、安濃鉄道、内務省(工事用機関車)が掲載されており、ページを開けばコッペルや単端や木造客車、へっついやブタが普通に活躍していた、軽便鉄道がごく当たり前に存在した時代にタイムスリップする事が出来ます。
「自転車に抜かれた〜」「岡山より〜」では、写真とあわせて牧野氏自身による訪問記が掲載されていたのですが、その訪問記では当時の軽便の有様が楽しい文章で記されており、何度も読み返したものでした。今回の本ではプレスアイゼンバーンの協力により、上記3冊の文章部分が全部ではないものの再録されています。
定価は税別7000円ですが、6月末までは税別6000円の特別価格。JTBの本は普通の書店でも置いている事が多いので、興味のある方はお近くの本屋さんで手にとって見て下さい。
★ところで、牧野氏が鉄道写真を撮り始めたのは、模型製作のための資料としてとの事。この本では当時(つまり戦前)に牧野氏が自作され、今も大事に保存しているという西大寺鉄道のコッペルの模型の写真も1枚ですが掲載されています。もしかするとこの作品、現存する日本最古のナローゲージモデルかもしれません。