軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

Nゲージマガジン56号

Nゲージマガジン 56号 2011年 12月号 [雑誌]

Nゲージマガジン 56号 2011年 12月号 [雑誌]

鉄道模型趣味」増刊・「Nゲージマガジン」56号が発売になっていたので、さっそく買ってきました。毎回書いている事ですが、ここ数年のNマガはTMSレイアウトコンペの入賞作の発表記事がまとめて掲載されるのが恒例となっています。そんな訳でナローファンである以前に鉄道模型レイアウト好きであるワタシとしては、取り上げない訳にはいかないのであります。
今回のNゲージマガジン、レイアウト記事だけでなく車輌工作の記事も勿論掲載されていますが、ここではレイアウト作品発表記事に絞ってご紹介します。
★山岳レイアウト「日暮電鉄」は1140×800mm。平面寸法は比較的小型でありますが、高さ方向が520mmもあり、起伏に富んだ地形を持つ山岳レイアウトなのであります。紙粘土を型押しした石垣(ナローやHOレイアウトでは定番の技法ですが、Nゲージでは珍しいかも)や落石防止網、自作の鉄橋やコンクリート橋も見応えがあり、山岳線の風景を盛りたてています。電車や電気機関車が走るレイアウトではありますが、鉱石ホッパーがあったりするところは、ナローファンにもぐっとくるかも知れません。実はこのレイアウト、駅はあるけどプラットホームは無いという割り切りをされていますが、言われるまでそれに気が付きませんでした。小型のレイアウトでは案外プラットホームを置く場所が馬鹿にならないのです。
★「春原交通鳴津線鳴津駅」は910×300mmのローカル私鉄駅セクション。駅とその横にある車庫に赤い電車がずらりと並ぶ姿は、活気あるローカル私鉄の雰囲気を醸し出しています。駅と線路を台枠に対して対角線状に配したところもなかなか良いです。こういう配置は簡単に思い付きそうでいて、実は案外思い付かないものです。セクション上に並ぶ電車は鉄コレをベースとして小改造を加え、自社カラーの赤に塗装したもの。架空の私鉄を想定して…という楽しみはゲージを問わず昔からありますが、こうやって風景があると非常に良いものですし、中途半端な設定よりも物語を語ってくれると思います。
★「入り江の終着駅」はNゲージマガジン54号発表の「紅葉のあるローカル線」の延長セクション。スペースは880×450mmで平成の真夏の漁村風景を表現しています。このセクションは地形のデザインやストラクチャーの配置がなんとも自然かつリアルなのです。製作にあたって3年に渡って取材を重ねたとの事で、その成果が充分以上に反映されています。民家をプラ板から自作したり、漁港に並ぶ漁船は市販品をそのまま使わず加工を加えたりと、いろいろと手を掛けているのもポイントです。
★「藤島鐵道 武智峡線」は大井川鐵道ふうのセクションで550×300mm。手前にライン下りの船がいる渓谷があり、奥側には茶畑と寺院のある山という構成。これまた起伏に富んだ立体感あるセクションで、編集部によるキャプションにもある通り、550×300mmという小スペースとは思えないボリュームを感じます。
★「近鉄京都線澱川橋梁の製作」は、日本最大級の鉄道橋である宇治川に架かる近鉄澱川橋梁を1/150スケールで模型化したNゲージならではのダイナミックな作品。勿論フルスクラッチです。実物の写真を見て頂ければわかりますが、まるでHOゲージの鉄橋にZゲージの電車が間違って走っているかの様。その位巨大なトラス橋で、Nゲージサイズでも1メートルを超える長さ。これだけのものをまとめ上げた作者の方のファイトに脱帽です。
★「ふれあい鉄道千葉支社」は分割式のレイアウトで、各セクションは写真用A3パネル(420×297mm)を使用。3台のセクションと道床付線路を組み合わせて運転するというもの。トミックスファイントラックの直線280mmと140mmをつなげると丁度420mmになってA3パネルの長手方向と一致するというのはグットアイデアです。パネルの上に直接線路を敷かず、ウッドランドのサブテレインを使ってボード面から持ちあげてあり、地形もよく考えられていて、如何にもありそうな自然な風景になっています。3台のセクションの継ぎ目もよく考えられていて、私は記事本文をよく読むまで3台に分割されている事に気が付きませんでした。
★「上総里の山鉄道」は講談社の「週刊・鉄道模型少年時代」を定期購読して作ったレイアウトですが、木原線のイメージでアレンジを加えておられます。ご存じの通り鉄道模型少年時代は付属する建物やアクセサリーはトミーテックのジオコレシリーズでありますが、そのジオコレを使っても、並べるだけでなく色々と手を加える事で、なかなか見応えのある風景になる事がわかります。走っている車輌はカーブの関係でBトレの国鉄キハ10。ふと思ったのですが、15m級の国鉄型ショーティーなんてあれば、R100を走って良いかもしれません。昔の16番小型レイアウトによくその手の車輌が走っていましたね。
★「新東上電鉄」は1250×550mmのBトレ専用レイアウト。名前から分かる通り東武をモチーフとしており、走るBトレも東武電車。Bトレレイアウトであっても、シーナリーやアクセサリーは細かく作り込まれています。スペースの関係でストラクチャーのビルの厚み方向をBトレ化?(薄型ビルとでも言うべきか?)してありますが、小型レイアウトでは使える手法ですね。そうそう、記事の冒頭で書かれている昔のグリーンマックスのカタログの「ショーティーを楽しもう」という記事は私も記憶に残っています。当時はNゲージでは20m級電車しか製品化されておらず(1981年にエンドウが京成スカイライナーを製品化し、その動力ユニットがグリーンマックスに供給されて京急1000を皮切りに18m級車が製品化されるようになった)、15〜16m級にショーティー化した電車でコンパクトな電鉄レイアウトを作るというプランは印象深くかつ魅力的でありました。あの記事はもう一度見てみたいなぁ…
★こうして本号掲載のレイアウトを一通り拝見した感想を箇条書きにすると

  • 背景画の効果の高さ。空色一色でも良いから背景板は欲しい。
  • 地形のデザインを含めたプランニングの重要性。これは実景の観察だけでなく、模型としてのデフォルメや視覚的効果、トリックを含めた研究・考察が大事。
  • アクセサリー類はジオコレやカーコレをそのまま並べるにせよ、ストーリーがあるというか、必然性のある並べ方がある筈。よく出来たレイアウトはそういう個所がやはり上手
  • 日本の情景には欠かせないのはやはり軽トラ。今回掲載のレイアウトでもカーコレのホンダTNがあちこちで登場していますね。

さて、レイアウト好きとしては今回も良いレイアウトを拝見できて「満足満足…」なのですが、ナロー好きとしては「Nゲージだとこれだけ良いレイアウトが出てくるのに、それに対して最近のナロー界では…」という気分にもなります。ファンの絶対数=層の厚さが違う、と言えばそれまでかも知れませんが、腕の立つNゲージレイアウトファンの方のナロー参戦を密かに期待していたりもする今日この頃なのであります。