軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

Nゲージマガジン57号

Nゲージマガジン 57号 2012年 07月号 [雑誌]

Nゲージマガジン 57号 2012年 07月号 [雑誌]

★ここ数年の鉄道模型趣味誌増刊「Nゲージマガジン」はTMSレイアウトコンペ応募作を中心としたレイアウト作品が多数掲載されるのが恒例で、この雑記帳で「今回もレイアウトの記事が沢山で嬉しい」などと書くのもまた恒例なのでありますが、今回の57号も同様なのであります。表紙にも「小型レイアウト9台、分割式レイアウト2台」と大きく書かれています。
★Nマガがレイアウト寄りにシフトしているのは、Nゲージの車種充実(というより出過ぎ?)で、かつてのプレイモデルの時代の様な「ない車種を自分で産み出す」必要がほぼ無くなった事、及び成美堂出版のNゲージ関連ムックやイカロス出版の「N」といった入門者をターゲットにした雑誌・ムックが出た事で、入門者向け工作記事を掲載する必要性が少なくなったのもあるのかも知れません。
★表紙および巻頭記事は阪急電鉄北野架道橋」。実在の風景をモデルとした複々々線のコーナーモジュールで、トラス鉄橋3本が並ぶというダイナミックな風景。Nマガ前号(56号)発表の「近鉄京都線澱川橋梁」と同じ作者の方の作品で、鉄橋はフルスクラッチNゲージならではの豪快な風景で、相当な労作かつ秀作です。実際の風景をモデルにしているだけに全体の配置その他は非常にリアル感を感じます。橋梁ファンの方(いるのかな?絶対いると信じていますよ…)には必見でしょう。
★「小型レイアウト各種」として、900×600mm以下のレイアウトまとめて9台が紹介。こうやって色々なレイアウトがまとめて掲載されるのは、30年以上前のTMSレイアウトコンテスト*1初期の頃の「レイアウト大集合」を思い出します。
凝った物もあればあっさり手際良く作った物もありバラエティ豊か、こうやってまとめていろいろな方の作品を見ると、自分にあった小型レイアウトの例が見つかるかもしれません。市販のレイアウトプラン集が近年は平面配置の味気ないプランばかり収録している現状では、やはり多くの人の作例を見て自分なりのプランを練るのが良いかもしれません。そうそう、プランで思い出しましたけれど、昔のプレイモデルや初期のNマガにはイラスト入りのレイアウトプランが良く出ていましたが、ミニカーブレールやユニトラックコンパクトを使ったミニレイアウトプランも載せて欲しいなぁと、ケンタッキーコーヒーライン*2や祖師谷軽便のファンとしては思うのであります。
★「山城鉄道の「駅」と「旧街道」」は分割式レイアウトのモジュール。直線区間に駅がある…と言葉にするとシンプルなモジュールですし、使われているストラクチャーも市販品ですが、そのまま使うのではなく、いろいろ手を加えておられ、また白色LEDによる照明装置が組み込まれているのもポイント。個人的には駐車場に並ぶダンプとミキサー車が斜めになっていたり、道路が地下道(アンダーパス)になっていたりするところが感心しました。駅前にあるモニュメントの動輪が、30年以上前に買ったD51の物…というのも良い話です。
★「観光農園軽便鉄道があるセクション」は、Nマガ前号の「ふれあい鉄道千葉支社」と同じ作者の方の作品。昨年のJAMコンベンションで展示されていたので、現物をご覧になった方も多いでしょう。シンプルですが、なかなかどうしてしっかりと作られています。やはりナローファンとしては、セクション手前にある軽便鉄道(Nナローではなく9mmの通常のNゲージを採用)が気になります。
別枠コラムにて、携帯電話のカメラやコンパクトデジカメの小ささを生かして、実物を撮影するようなアングルで撮影する楽しみ方と作例が紹介されています。古いファンの方なら「マミヤ16レイアウトを行く」という昭和30年代のTMS誌に掲載された二井林一晟氏による記事を思い出すかも*3。昔話はともかく、レイアウト撮影においては常に一眼デジカメが優れているとは限らない気がします。TMS誌の表紙を飾っているレイアウトコンペ応募作品の画像でも、コンパクトデジカメを使っている例も多いのです。
★レイアウト関連ではこの他に「ペーパー製ストラクチャーの組立」と題して、編集部によるさんけい製レーザーカットペーパーストラクチャーキットの組立解説記事が掲載されています。さんけい製品は量販店の店頭にも並んでおり(ヨドバシカメラでも扱っている)価格も比較的手頃なのですが、模型誌で組立記事が掲載される事は少ないだけに参考になると思います。
★さて、レイアウト作品を拝見した全般的な感想としては

  • 毎度の事ながらNゲージレイアウトのレベルがアップしている事を痛感。読者作品だけにレベルは色々ですが、昔(10年前、20年前)に比べて全般的なレベルは上がっています。特に樹木などの表現は各種新材料の登場もあり、ライケンと着色スポンジしかなかった頃に比べて大幅にレベルアップしています。もっともTMSレイアウトコンペの応募作だけに、皆さんそれぞれに力を入れて作っているというのはありますが。
  • Nゲージサイズではストラクチャーやアクセサリーが近年さらに豊富になった為、作る側にも余裕が生まれた感じがする。つまり市販品で済ませられるところは市販品で済ませ、浮いた労力を別の部分に注力するというような感じ。またどこのレイアウトをみても同じ建物…というかつてのNゲージレイアウトにあった違和感も、製品バリエーションが豊富な現在では少なくなった感じがします(むしろHO系の日本型レイアウトの方が、どこのレイアウトをみても同じ建物という例が多い気が…)
  • 車などのアクセサリーは皆さんカーコレあたりを使っておられますが、市販品をそのまま並べていても「ムムム!」と思わせるいかにもありそうな情景になっている作品もあります。本当の意味で「レイアウト」するセンスが問われる時代になったのかも。
  • 写真は筆者撮影がほぼ全てですが、Nの場合光線条件の良い屋外へも持ち出せる事、また近年はデジカメの性能もアップした為か、編集部撮影のものに比べて見劣りする物が少なくなっていると感じます。中でもレイアウトコンペ常連の方や、ブログで自分の作品をアップされている方はかなり手慣れておられる感があります。

★この他、車輌作品も良く出来た作品が掲載されていますが、それらの紹介はNゲージ車輌工作派の方々にお任せする事にしまして、レイアウト中心に紹介されて頂きました。

*1:昔は「レイアウトコンペ」ではなく、「レイアウトコンテスト」だったのでした

*2:ポポンデッタの「SLコーヒー列車」って、ケンタッキーコーヒーラインに類似している気がしますが、気のせいでしょうか?

*3:マミヤ16は当時流行した16ミリフィルムを使うポケットカメラの一種。当時主流だった35mmカメラや6×6判カメラに比べて遥かに小さく、それを生かしてレイアウトの中に直接置いて、実景を撮影するかのようなアングルでレイアウト写真を撮影する事が出来た。