★今回ナロー関連では、鉄道青年さんのOナローモジュール「草軽電鉄東雲駅」が入選。この作品は軽便鉄道模型祭でOナローモジュール倶楽部にて展示されていたので、現物をご覧になった方も多いでしょう。実に雰囲気が良い作品です。
入選は4点なのですが、その他3作のうちの一つである「中総鉱業鉄道」がNゲージメインの中にNナロー6.5mmを組み込んだ構成ですので、ナロー関連と言えるかも。ここ何年か毎年優れた作品を応募されている下総鉄道さんの作品です。入選作の残り2点は、ベテランの川越鉄道さんのNモジュール、そして昨年のJAMコンベンションでわりばし会&桜の木鉄道模型クラブにて展示されていたUCC珈琲さんのNモジュール「ガード下の風景」。UCC珈琲さんの作品はJAMでの展示を拝見した時に「これは来年上位入賞するだろう」と思っておりました。
★入選、佳作の大半はNゲージで、入選でOナローが1点、佳作で12mmが1点あるのみ。やはりNゲージレイアウト作品の質的向上が著しい為でしょうし、もしかするとレイアウトビルダーにとって日本型の1/80〜1/87というスケールが、インフラ面その他で魅力もメリットも無い物になりつつあるのかも知れません。しかし昨年は入選、佳作10作品中HOが3作、12mmが1作、ナロー9mmが1作でしたので、今年がたまたまN豊作、HO不作だったのでしょうか?
★本雑記帳で何度か話題にしているレイアウトコンペ入賞者の年齢層ですが、今回は以下の通りとなりました。
- 入選 60代1名、40代3名
- 佳作 50代3名、40代1名
- 準佳作 60代3名、50代6名、40代4名、30代1名
- 努力賞 80代1名、70代3名、60代6名、50代9名、40代3名、30代2名
- 全体 80代1名、70代3名、60代10名、50代18名、40代11名、30代3名
- 全入賞者数 46名
20代がおらず、30代が少ないのは引き続き気になりますが、一方では上位入賞作は40代が多くなっており、トップレベルのレイアウト作者の世代交代を感じます。
★ところで、今回の入選作は、既に昨年の時点で形になってイベントに出展されたり、ブログに発表されたりしています。何を言いたいのかというと、コンペの締切ギリギリに慌てて仕上げて写真を撮っているようではダメなんだろうなぁ…という事です。選評でも「問題があったら再撮影をいとわないくらいの努力をお願いしたいものである」と書かれていますね。
もう一つ、選評でもある通り、上位入賞作ではB部門(セクションやモジュール)ばかりで、A部門(通常のレイアウト)が少ないという事が気になります。モジュールやセクションはじっくり作り込めるというのはありますが、それ以上に、近年良く出来たホームレイアウト(細かく作られているという訳でなく、全体のプランが…という事)の例が少なく、レイアウトプランの記事も少なく、メーカーのレイアウトプラン集も単なる平面線路プランでしかない…という状況が、徐々に影響しているのではないか…と危惧する次第です。
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