軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

秋の嵐山でナローレイアウトに出会う(備山鉄道深山線)


家族サービスという事で京都に旅行に行ってきました。
といっても、鉄目的ではなく、家人のリクエストで京都近辺のパワースポット巡りだったのですが、ついでに嵐山電車と嵯峨野観光鉄道にも乗ってきました。


嵯峨野観光鉄道というのは、昔DD54が走っていたところ…つまり福知山線の旧線を観光用に活用したところですね。トロッコ亀岡駅から乗車し、「トロッコと名乗っていながらナローでないのは怪しからん」とか言いつつも、保津峡の景色を楽しみ、終点一つ前のトロッコ嵐山駅で下車。

なんでもこのトロッコ嵐山駅から嵐電嵐山駅に抜ける道(徒歩15分位)が竹林だそうで、家人がそれを見たいというので「サービスサービス」と言いつつ下車したのですが…

何と、駅の待合室に鉄道模型のレイアウト、それもHOナローのレイアウトがあるではないですか! 
しかもそれはかつて鉄道模型趣味(TMS)誌に発表され「ナローゲージブック2」にも記事が収録されている「備山鉄道深山線」だったのです。

作者の林伸憲氏は「備山鉄道」の名でHOナローレイアウトの秀作を1980年代にTMS誌に発表されたモデラー。まずミニレイアウトの「備留土線」が第5回TMSレイアウトコンテスト入選・TMS427(1983年3月)号に発表、続いて同じくミニレイアウトの「川西支線」が第7回TMSレイアウトコンテスト入選・TMS454(1985年1月)号に発表され、そしてこの林鉄レイアウト「深山線」が第9回TMSレイアウトコンテストに入選、TMS493(1987年11月)号に発表されました。のちに川西支線は「ナローゲージブック1」、深山線は「ナローゲージブック2」に再録され、そちらでご覧になった方も多いでしょう。



林さんは映画やテレビの監督をされていたそうで、東映京都制作だった「暴れん坊将軍」も多数監督されているとの事。近年先輩にその話を聞くまでまったく気がついていませんでしたが、一連の備山鉄道レイアウトの全体の構成力、雰囲気のある風景描写というのは、映画監督という本職故だったのかもしれません。映画やTVドラマを見る際に画面に注目して周囲が見えなくなるように、見ただけでその世界に引きずり込まれるレイアウトなのです。
林さんは残念な事に10年程前に亡くなられましたが、もう少し長生きされて、木曽モジュールなどご覧頂きたかったと思います。


しかし、こういった場所で常設展示され、いつでも見ることが出来るのは嬉しい限りです。ナローゲージャーやレイアウトファンには一見をおすすめします。
そうそう、嵯峨野観光鉄道トロッコ嵯峨駅に「ジオラマ京都JAPAN」という施設を併設していますけれど、そちらの方は見なかったのでレポートはありません。あしからず。