軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

2-1/2から30へ

今月号の「とれいん」誌で、同誌なんこう編集長よりとれいん誌独自の呼び方であった「Jゲージ」や「HOs1067」の呼び方を止め、今後誌面上では「16番ゲージ」「12mm」という現状に即した名前で呼ぶ事にする旨の告知がされています。
その他のゲージも実状に合わせた呼び方に改めるそうで、我々の好きなナローの分野では「On2-1/2」を「On30」に、「HOn2-1/2」を「HOn30」に表記を改めるとの事であります。確かに以前は良く使われた「n2-1/2」表記を最近はあまり見なくなった気がします。
Oナローに関して言えば、10年位前からバックマンが安価なプラ製Oナロー製品を発売するようになり、日本でも外国型専門店だけでなく量販店にまで並ぶほどになりましたが、それらは全て「On30」表記を用いており、「n2-1/2」よりも「n30」の表記の方が身近になったのかも知れません。
HOナローに関して言えば、今は亡き乗工社も1990年に国内向け製品供給復活時には既に「HOn2-1/2」ではなくヨーロッパ流の「HOe」の呼称を用いていましたし*1、モデルワーゲンも乗工社同様「HOe」の呼称を今に至るまで使っています。2000年代にナローに参入したワールド工芸やアルモデルは単に「HOナロー」と表記し、これまた「n2-1/2」表記を使っていません。そもそもTMS誌等ではイギリス流のOO-9(1/76 9mm)や日本型16番に合わせた縮尺の1/80 9mmとHOn2-1/2(1/87 9mm)を合わせて「ナロー9ミリ」と呼称したり*2した事もあり、HOn2-1/2という表記は実は思った程使われていなかったのが実状かも知れません。
ネットやメールで書く際にも「2-1/2」というのは書きにくいのです。雑誌の活字では分数である「1/2」を一文字分にした活字があり、手書きでも同様にできます。ところがパソコンですとワープロソフトやDTPソフトを使わない限り、そういう表現が出来ない。分数の表記は「1/2」と横に書くしかないのです。でもって「HOn21/2」だと「エイチオーエヌにかにぶんのいち」ではなく「エイチオーエヌにじゅういちぶんのいち」だと勘違いされそうなので、間にスペースを入れて「HOn2 1/2」にするか、ハイフンを入れて「HOn2-1/2」とするか・・・などと色々悩むよりか、あっさりと「HOn30」と書いた方が簡単ではあります。
口頭での会話の場合も、「にかにぶんのいち」と言うのはしゃべり難いものです。「オーエヌサーティー」「オーエヌさんじゅう」という呼び方の方がはるかに呼び易いしゴロも良いのです。
という訳で、「n2-1/2」の呼び方が廃れていくのは良く分かる気がします。ですが、「ナローゲージモデリング」とか「レイアウトモデリング」を読んで育った世代としては、そこに収録された記事の時代・・・すなわち日本のHOナロー創世記の香りが失われるような感じもして、ちょっと淋しいかもと思う今日この頃なのであります。

*1:1980年代半ば創刊間もないレイルマガジンのみに広告を出していた頃に「HO9」という表記をしていた事もあった

*2:ファンの作品の中には1/80なのか1/87なのか明確でない場合もあった。レイアウトなどでも1/76〜1/87までをミックスして楽しむファンも多かった