軽便鉄模アンテナ雑記帳

軽便鉄模アンテナ管理人(うかい)の雑記帳です。ナローゲージ鉄道模型の話題が主

サニーのNサイズカー


サニーと言っても日産サニーの事ではありません。サニーインターナショナルという今は亡きプラモデルメーカーの事。そのサニーが1970年代末に、Nゲージサイズの自動車プラモデル?(というよりミニカー)を出していた事がありました。

▲こんな感じでキット形式で売られていました。
上の写真のような簡単なキット形式であり、接着剤不要で組み立てられます。箱はマッチ箱形式で、内箱はスタート台になっているのが御愛嬌。
この製品はなかなか良い出来なのですが、実はこれには裏があって…

▲親子のご対面?
後ろ側にある大きな方が鉄道模型ファンにもお馴染みドイツのバイキングのHOミニカー。同じNSU Ro80なのですが、よく見るとモールドその他がそっくり…

▲後ろから見てもそっくり

さらに裏返してみるとシャシーのモールドがそっくりそのまま。「NSU Ro80」の文字の入っている位置までそのままです(笑)
要するにサニーのこのNサイズカーシリーズ、バイキングのHOミニカーをそっくりそのまま縮小コピーした製品だったのです。よって発売されていた車種もフォルクスワーゲンアウディメルセデスベンツ…とドイツ車ばかりで国産車はまったく無かったのでした。
今回、この2つを実測して比較してみたところ、バイキング製品の約75%の大きさとなっていました。カンの良い方なら気付かれたと思いますが、HO=1/87を75%縮小しても1/150にも1/160にもなりません。

▲ハマーH1もびっくりのデカさ。駐車場でこんなのが隣に止まってたら迷惑(笑)
上の写真は1/150サイズのバスコレとカーコレと並べてみたのですが、明らかに巨大。1/87の75%縮小ですから計算すれば1/116…ほぼTTスケール。どうりでデカい訳です。
この製品、グリーンマックスNゲージストラクチャー「道路信号機セット」にオマケとして入っていた事もありました(車種はアウディ100だったと思います)。当時TMS誌の製品紹介で「入っている車はスケールが大き過ぎて使えない」とバッサリ斬られていた記憶がありますが、確かにそうですな…。もっとも乗用車以外のウニモグやら建設機械やら(もちろんこれらもバイキングのコピー)はNスケールとして見ても違和感がなかったせいか、TMS増刊プレイモデル誌で紹介されていた事もありますし、プレイモデル2号ではこのシリーズのVWパサートとトミックスのキハ02レールバスを合体させてボンネットバスを作る記事が掲載された事もありました。Nとしてはオーバースケールなのを利用したナイスアイデアだったと思います。
当時(1978〜80年頃)はNゲージ用ミニカーはバイキングのNスケールは輸入されていたけど高価、バックマンNもトミー扱いで輸入されていてこれは安かったけれど出来がイマイチ、対してこのサニーのNサイズシリーズは確か50円か100円(手元のこの品には「¥100」の値札があります)と安かったので、オーバースケールとは言え有り難い存在でした。グリーンマックスは前述のように自社製品にこのミニカーを入れたり、初期のカタログのレイアウトで使われている自動車は全部このシリーズでした。
もっとも、1980年にトミックスから待望の国産車Nゲージミニカー・日産セドリック、いすゞエルフ、三菱ふそうバスが発売され、オーバースケールのサニーNシリーズはレイアウト上から放逐されてしまうのでありました。(参照→TMS1980年4月号を読む - 軽便鉄模アンテナ雑記帳
この製品、当時街のプラモ店で普通に売られていた品なのに、今やすっかり忘れられてしまっています。ネットにも殆ど情報はなく、ヤフオクで見る事もありません。プラモファンにもミニカーファンにも対象外と認定されてしまっているのでしょうか…
なお、サニーインターナショナルはマルサンにいた方が設立したメーカーだった模様。たしか2000年前後までは活動しており、ホームページも存在した記憶があります。

(2022/2/24追記)

EキットマンさんがこのサニーのNサイズカーが同封されていたグリーンマックス「デラックス道路アクセサリーセット」の画像をアップされています。
ご覧の通り、箱絵が小林信夫氏のイラストになる以前の時代であります。


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