(その2からの続き)
軽便鉄模アンケート2020分析編の3回目は、「購入したナローゲージ製品のメーカー」と「購入した雑誌」についてであります。
Q4:今年(2020年)購入されたナローゲージ製品のメーカーを選択してください(複数選択可)
回答 | 件数 | 割合 |
アルモデル | 77 | 44% |
富井電鉄猫屋線(トミーテック) | 77 | 44% |
軽便鉄道模型祭記念板 | 35 | 20% |
ワールド工芸 | 28 | 16% |
トーマモデルワークス | 27 | 15% |
ナローガレージ | 26 | 15% |
IORI工房 | 23 | 13% |
Models IMON | 22 | 12% |
ペアーハンズ | 21 | 12% |
城東電軌 | 17 | 10% |
梅桜堂 | 15 | 8% |
モデルワーゲン | 13 | 7% |
杉山模型 | 12 | 7% |
Moso Factory | 7 | 4% |
南洋物産 | 5 | 3% |
模型の丸屋 | 5 | 3% |
道楽ぼーず | 3 | 2% |
レイルクラシック | 3 | 2% |
銘わぁくす | 2 | 1% |
北野工作所 | 0 | 0% |
上記以外の国内メーカー製品(ガレージキット含む) | 33 | 19% |
上記以外の海外メーカー製品(ガレージキット含む) | 20 | 11% |
今年は買っていない | 26 | 15% |
★アルモデルとトミーテック猫屋線が一騎打ち、最終的には同数となりました。
猫屋線が強いであろう事は予想していましたが(猫屋線でナローを始めた人に加え、昔からのナローゲージャーの一定数が買っている)、アルモデルがここまで強いとは驚きました。
★実は、アルモデルは昨2020年にそれほど新製品は出していないのです。同社Webページの昨年の新製品をならべた画像や「新製品情報2020年」を見ると分かりますが、ナローは猫屋線電車用動力装置、Oナロー運材台車、軽便祭記念板用動力、軽便ボギー客車C【大き目】だけ。それでも猫屋線と同数トップなのです。
あけましておめでとうございます🎍
— ARUMODEL【アルモデル公式】 (@arumodel) January 1, 2021
本年もよろしくお願いします😀 pic.twitter.com/WcXxcJZkeA
同社の製品紹介ページを見ると、過去発売製品でもこまめに再生産し、全製品ではありませんか一定の在庫を持っている様子がうかがえます。在庫を持つこと。既存の製品の再生産が如何に大事かを物語っているのではないでしょうか?
★他に注目されるのはIORI工房。明治物を得意とする新興ブランド/ショップですが、老舗ブランドを上回る大躍進ぶり。レーザーカットで小回りが利く事を生かして、1/80と1/87両方を用意するなどのきめの細かいサービスもユーザーの支持を受けているのではないでしょうか。
同様にストラクチャー主体の新興ブランド・梅桜堂も大健闘。トタン小屋がスマッシュヒットになった同社ですが、今後に期待であります。
★「上記以外の国内メーカー製品(ガレージキット含む)」が思った以上に多かったのですが、
今年買ったナローの新製品って何があったっけ?と思い返したんだけど、アルの木製運材台車と浅間模型の草軽デキくらいしか思い出せなくて、いざ回答しようとしたら浅間模型の名前が入ってなかった……(その他ガレージメーカーで回答😅)
— kuma (@trta01) December 29, 2020
実は、今回は2019年の軽便鉄道模型祭の業者出展から選択肢を作成したので、浅間模型が抜けてしまっていたのです。
浅間模型の草軽は相当に注目された製品でありましたので、これは大失敗。選択肢として「浅間模型」があれば、5%~10%になったのではないかと推察されます。
Q5:以下の中から、今年買った雑誌・ムックを教えて下さい(複数選択可)
回答 | 件数 | 割合 |
鉄道模型趣味(TMS) | 105 | 59% |
RM MODELS | 67 | 38% |
RMライブラリー | 65 | 37% |
とれいん | 37 | 21% |
Vintage Rails | 12 | 7% |
N&S GAZETTE(米) | 11 | 6% |
VOIE LIBRE(仏) | 5 | 3% |
NARROW GAUGE & INDUSTRIAL RAILWAY MODELLING REVIEW(英) | 3 | 2% |
上記の雑誌・ムックは今年買っていない | 42 | 24% |
★やはりナロー関連の記事が比較的多い為、鉄道模型趣味(TMS)誌を買われる人が多いのかも。
RM MODELS(RMM)誌は、ナローゲージャー的には宮下さん編集の「昭和模型工作室」目当てで買われているのでしょうか。
一方とれいん誌が思ったより低いのは、昨年はナロー関連の記事が少なかったからかも。2008年のアンケートの際は、TMS→とれいん→RMMの順でしたが、この頃は「カルタゴサロン」が毎号連載されていたからでありましょう。
RMライブラリーは、昨2020年に「下津井電鉄(上)」が出ましたし、新しくナローに入られた方が既存の号を求められたりもあって多いのではないかと思います。
★ちょっと驚いたのが海外ナロー雑誌を買っている人の少なさ。昔であればもっと多い数が出たと思うのですが、海外ナローに興味があっても、ネットで情報が得られるから不要…ということなのでしょうか? 海外雑誌を取り扱う模型店も少なくなって、面白そうな号をたまに買ってみる…という事も難しくなったのもあるかも。
★そもそも2020年にここにあげた鉄道模型関連の雑誌やムックを「買っていない」という方も24%。ちょっと気になってそう回答された方の年代別の割合を調べてみたのですが…
年代 | 買っていない人 | 回答者総数 | 買っていない人の割合 |
10代 | 1 | 1 | 100% |
20代 | 3 | 10 | 30% |
30代 | 3 | 15 | 20% |
40代 | 6 | 30 | 20% |
50代 | 15 | 72 | 21% |
60代 | 11 | 42 | 26% |
70代 | 2 | 6 | 33% |
80~90代 | 1 | 1 | 100% |
全世代合計 | 42 | 177 | 24% |
10代や80~90代の様に回答者総数がごく少ない年代はデータの有効性に問題ありそうなので省くとして、「若い世代ほど雑誌を買っていない」…とは言い切れない結果に。確かに20代で「買っていない」人は30%に及びますが、60代も26%、70代は33%が買っていないのです。そして30代、40代が全年代中「買っていない」人の割合が低く、それぞれ20%。
これはつまり「年取ると雑誌買わなくなる」とも言えるのではないでしょうか?
各誌共に年配読者に媚びるよりも、思ったより買ってくれている30代40代にターゲットを合わせた方が良いのかも知れません。
(続く)
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